1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660055
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
角田 素行 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50127164)
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Keywords | 蔗糖分解酵素 / β-フラクトフラノシダーゼ / 蔗糖 / ラフィノース / 中腸組織 / 消化 / 吸収 / カイコ |
Research Abstract |
1.可溶型蔗糖分解酵素の精製 すでに家蚕の中腸組織の可溶画分をDEAE-セルロースイオン交換カラムクロマトグラフィーにかけることによって3つの蔗糖分解酵素の活性画分が分離され、Peak I,Peak II,Peak IIIと名付けられている。今回Peak II画分を精製の出発材料として可溶型の蔗糖分解酵素をほぼ均一なタンパク質として精製する方法を確立した。精製は40-80%の硫安分画、DEAE-セルロース、ハイドロキシアパタイト、セファセルを担体としたカラムクロマトグラフィーによって行った。精製標品の反応動力学的性質から蔗糖とラフィノースをβ型の果糖を認識して加水分解するβ-フラクトフラノシダーゼであることが明らかとなった。 2.膜結合型酵素の界面活性剤による可溶化 膜結合型の蔗糖分解酵素を膜から界面活性剤のTritonX-100を終濃度1%にて可溶化する方法を確立した。 3.家蚕の中腸組織の可溶画分に存在する蔗糖分解酵素の種類 家蚕の中腸組織の可溶画分に蔗糖分解酵素としてβ-フラクトフラノシダーゼが存在することを1において明らかにした。これ以外の蔗糖分解酵素つまり、α-グルコースを認識してこちらから蔗糖を加水分解する酵素の存在の有無を検討した。その結果Peak II画分に小量ではあるがα-グルコシダーゼが存在することを明らかにした。Peak I画分には現在までに得られた実験事実からはβ-フラクトフラノシダーゼのみから成り立っているようである。Peak III画分については今後検討する必要がある。
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