1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660058
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University Junior College |
Principal Investigator |
中島 哲生 光華女子短期大学, 学政科, 助教授 (70175496)
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Keywords | 絹の染色性 / 高圧精練 / 酸性染料 / 平衡吸着 / 染色速度 |
Research Abstract |
先ず、現行蚕品種の繭を取研究室設備の恵南産機K.K製SKー1型繰糸装置で繰糸して得られた無撚生糸を試料にして、本補助金による釜内の温度・圧力が設定可能なオ-トクレ-ブを用いて、普通練り(炭酸ナリトウム10%o.w.f.と非イオン性界面活性剤10%o.w.f.の混合溶液を用いて溶比1:100,95℃,120分)による練り減り率(約20%)とほぼ等しくなるような精練条件を求めた。 その結果、非イオン性界面活性剤10%o.w.f.のみを添加し、0.2kgf/cm^2,105℃,の条件で30分精練を行うと、練り減り率は3.6%であった。0.4kgf/cm^2,110℃,30分では、14.1%また、1.0kgf/cm^2,120℃,30分では、19.1%であった。これに炭酸ナトリウム10%o.w.f.を加えて同様にオ-トクレ-ブを用いて精練を行うと、0.2kgf/cm^2,105℃,20分で練り減り率は21.2%、1.0kgf/cm^2,120℃,5分で19.4%となった。 そこで、1.0kgf/cm^2,120℃,30分で精練したもの(これをAとする)と、炭酸ナトリウム10%o.w.f.を加えて1.0kgf/cm^2,120℃,5分で精練したもの(同様にBとする)の2種を試料し、普通練りのものと比較検討することにした。染料はC.I.Acid Orange7を用い、酢酸でpH4に調整し、50℃における平衡吸着量と初期における染色速度を求めた。4.45×10^<ー5>mol/lの残溶における普通練り絹繊維の平衡吸着量は、37.8×10^<ー3>mol/kgであったのに対し、4.33×10^<ー5>mol/lの残溶におけるAの平衡吸着量は、48.7×10^<ー3>mol/kg、また4.47×10^<ー5>mol/lの残溶におけるBの平衡吸着量は39.4×10^<ー3>mol/kgであった。更に、染色開始より900秒までの初期染色速度の測定においても同様の結果が得られた。このように非イオン性界面活性剤のみを用いて高圧下で精練された絹繊維は、炭酸ナトリウムを用いたものに比べ、酸性染料の吸着量が大きくなることが明らかになった。
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