1993 Fiscal Year Annual Research Report
てんかんモデルマウス脳におけるキノリン酸合成酵素遺伝子の異常発現機構の解析
Project/Area Number |
03660080
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Research Institution | Nagoya University BioScience Center |
Principal Investigator |
中野 紀和男 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (10023433)
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Keywords | てんかん症 / キノリン酸 / E1マウス |
Research Abstract |
本研究ではてんかん症の原因として,神経毒であるキノリン酸の脳での合成が異常に高いためであると考え,その合成酵素遺伝子の異常発現機構を明らかにしようとするものである.すでにこれまでに代表的なてんかんモデルマウスであるE1マウスを用い,その脳では本酵素の活性が対照マウスにくらべて著しく高いこと,脾臓など末梢組織ではマウス系統間の差はないこと,キノリン酸分解酵素の活性にはE1マウス,ddYマウスで差はないことなどを見出している.本酵素はトリプトファンからNADが合成される重要な経路に位置する.そこでわれわれはこの現象を,脳ではキノリン酸が神経毒になるため,特異的に本酵素遺伝子の発現が抑さえられているのではないか,その抑制が効かなくなったことがE1マウスのてんかんの原因ではないかと考えている.そこで本年度においては本酵素遺伝子のc-DNAをクローニングし,その構造を明らかにすることにした.これまでに本酵素蛋白質をラット肝臓から精製し,そのN-末端アミノ酸配列を決定した.ついでそれに基づきDNAオリゴヌクレオチドを合成した.そしてそれをプローブとして用い,ラット肝臓c-DNAライブラリーから本酵素遺伝子c-DNAをスクリーニングし,クローニングすることに成功した.
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[Publications] Nakano,Kiwao: "Increase in 3-hydroxyanthranilic acid oxygenase activity in the brain of epileptogenic El mouse" Agr.Biol.Chem.55. 1195-1196 (1991)
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[Publications] Nakano,Kiwao: "Abnormally high activity of 3-hydroxyanthranilate 3,4-di-oxygenase in brain of epilepsy-prone El mice" Brain Research. 572. 1-4 (1992)
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[Publications] Nakano,Kiwao: "High levels of quinolinic acid in brain of epilepsy-prone El mice" Brain Research. 619. 195-198 (1993)