1992 Fiscal Year Annual Research Report
イネ亜硝酸レダクターゼの構造遺伝子と制御遺伝子の構造解析
Project/Area Number |
03660084
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井田 正二 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (70027184)
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Keywords | イネ / Oryza sativa L. / 亜硝酸レダクターゼ / cDNAライブラリー / cDNAの塩基配列 / 介在配列をもつcDNA |
Research Abstract |
1.イネ亜硝酸レダクターゼ(NiR)cDNAの塩基配列の決定。葉cDNAライブラリーから3個、根cDNAライブラリーから4個のcDNAクローンを単離しそれぞれのクローンについて制限酵素地図を作成した。その結果、葉と根の両方に制限酵素地図の異なる2種類のクローンが存在することが判明した。制限酵素地図の異なる2つの完全長cDNAクローンについて、それぞれの全塩基配列を決定した結果、一つは活性酵素蛋白質に対応する塩基配列をもつものであった。他の型のクローンは前者の塩基配列中に93bpの塩基配列が挿入された挿入型cDNAであることが判明した。 2.イネNiR cDNAの塩基配列の特徴。正常型NiR cDNAは596個のアミノ酸をコードするクローンである。このクローンにはポリA附加シグナル配列と思われるAATAAA配列が存在する。挿入配列をもつcDNAクローンは93bpの挿入塩基配列を除けば正常型クローンの塩基配列と同一であった。両クローンともコドン3番目のG/C含有量は96%である。これはトウモロコシNiR cDNAの98%に近い値であり、単子葉植物起源のNiR cDNAに共通する特徴である。しかし93bpの挿入塩基にはこのような偏りは認められない。この挿入配列の由来を解明する目的でイネ核ゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った結果、この塩基配列がゲノムDNA中に存在することが判明した。 挿入型NiR cDNAの存在はイントロンの不完全な切り出しに帰因するのか、或いは生理的に意味のあるmRNAの存在の反映であるか否か不明である。この点についてはNiR遺伝子の全塩基配列の決定によって解明する予定である。
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