1991 Fiscal Year Annual Research Report
cDNAの大腸菌発現によるダニアレルゲン群の分子種構成の解析
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03660088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小埜 和久 広島大学, 工学部, 助教授 (10144883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 智 広島大学, 工学部, 教授 (80034320)
室岡 義勝 広島大学, 工学部, 教授 (60029882)
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Keywords | ダニアレルギ- / エピト-プ / アレルゲン / ダニ喘息 / 発現ベクタ- / 時異IgE / 特異IgG / 融合蛋白質 |
Research Abstract |
ダニアレルギ-では、患者によるアレルギ-の原因となるアレルゲンが異なること、更に、個々のアレルゲン分子は、いずれも糖蛋白質であり、それぞれのエピト-ブは蛋白部分にあることが、私達の研究で明かとなっている。そこで、本研究では、多数のダニアレルギ-患者に対してアレルゲンとして機能する新規な抗原分子をコ-ドする遺伝子をクロ-ニングし、アレルゲン分子種の実態を解明しようとした。 (1)クロ-ニングし全塩基配列を決定した新規ダニアレルゲン遺伝子を、発現ベクタ-に連結し、βーグルコシダ-ゼ融合蛋白質としてダニアレルゲンを発現させた。このアレルゲン遺伝子を3'ーおよび5'ー末端から欠損させると活性発現に必須な領域が2ヶ所存在した。そのうちのアミノ酸12残基をコ-ドする下流領域が喘息患者の特異1gEと強く反応した。この領域に点変異を導入すると、このエピト-プであるアミノ酸を中心にして、患者に依って認識する近傍アミノ酸が異なることがわかった。また、この領域を化学合成したペプチドにも、喘息患者の特異1gG、1gEとの強い反応性がみられたが、好塩基球からヒスタミン遊離能がみられないことにより、この合成エピト-プ含有ペプチドは1価であることがわかった。現在、多価にしてヒスタミン遊離能の確認と免疫原性について検討中である。(2)このアレルゲンの量産化のためには、インクリュジョンボディを形成するβーグルコシダ-ゼ融合蛋白質では、この精製に問題がある。そこで、可溶性融合蛋白質を生成するとされているグルタチオンSートランスフェラ-ゼ融合蛋白質として大腸菌でアレルゲンを発現させたが、同様に不溶性であった。しかし、この融合蛋白質を可溶化した後、トロンビンで水解してグルタチオンアフィニティカラムでアレルゲンを回収することに成功している。現在、可溶融合蛋白質を得る方法を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Shigeta et al.: "Purification and characterization of a Sea Squirt βーGalactosidase" J.Biochem.110. 136-140 (1991)
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[Publications] 城 智彦,他: "全症例で著効を認めたホヤ喘息の精製抗原による減感作治療" アレルギ-. 40. 1194-1199 (1991)
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[Publications] M.Ohta et al.: "Further characterization of allergenicall Actioe Oligosaccharltols Isolated from a Sea Squirt HーAntigen" Arch.Biochem.Biophys. 290. 474-483 (1991)
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[Publications] 石丸 紀之,他: "ディスク電気泳動によるダニ虫体アレルゲンの分離・精製" 平成3年度日本醗酵工学会大会 構演要旨集. 194 (1991)
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[Publications] 秋 庸裕,他: "ダニアレルゲンcDNAによるIgEエピト-プの構造解析" 日本農芸化学会誌 1992年度大会構演要旨集. 66. 329 (1992)
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[Publications] 山口 武志,他: "低分子ダニアレルゲン" 日本農芸化学会誌 1992年度大会構演要旨集. 66. 346 (1992)