1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660100
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中原 忠篤 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (80011930)
|
Keywords | バイオプラスチック / ポリヒドロキシ酪酸 / ポリリンゴ酸 / 4ーヒドロキシ酪酸 / Candida rugosa / Aureobasidium sp. |
Research Abstract |
本研究は、微生物を用いて安価な原料から生分解性の高いバイオプラスチックまたはその素材を大量に生産することを目的に実施したものである。タ-ゲットとして、微生物の生産するポリー3ーヒドロキシ酪酸とポリリンゴ酸をとりあげた。 1.4ーヒドロキシ酪酸からの共重合ポリエステルの生産と性質 Candida rugosa IFO1364を用いて、1.4ーブタンジオ-ルから4ーヒドロキシ酪酸(4ーHBA)を生産し、この4ーHBAを原料として、水素細菌Alcaligenes eutrophus ATCC17によりポリエステルの生産を試みた。その結果、2.5gの乾燥菌体から0.6gのポリエステルを得ることができた。しかしながら、生産収率は低く目標値に達していないので、さらに生産条件の検討および生産菌の改良が必要である。回収したポリエステルを用いて、フィルムを作製し物性を調べたところ、本フィルムは伸縮性に富み、市販されている3ーヒドロキシ酪酸と3ーヒドロキシ吉草酸との共重合ポリエステルにより調製したフィルムとは性質が異なっていた。 2.Aureobasidium属菌によるポリリンゴ酸の生産プロセスの確立 自然界から新たに分離したAureobasidium属菌および同属の保存菌株がグルコ-スを炭素源として酸性バイオポリマ-・ポリリンゴ酸を多量生産することを見出した。最優良株としてAureobasidium sp.Aー17を選択し、種々の培養条件を検討した。本菌株は、条件によっては油脂または多糖類のプル-ランを副生した。ポリリンゴ酸生産には、微好気、中性、鉄イオンの制限および亜鉛イオンの微量添加が良好であった。これらの条件下で、蓄積量は培地中約45mg/mlに及んだ。生産されたポリリンゴ酸の分子量は約1万という値が出ているが、まだ未確定であり、今後さらに、分子量および化学構造について検討する予定である。
|