1991 Fiscal Year Annual Research Report
セラチアセリンプロテア-ゼの大腸菌における菌体外分泌機構の解明とその応用
Project/Area Number |
03660104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 稔 東京大学, 農学部, 助手 (80191617)
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Keywords | 菌体外分泌 / セリンプロテア-ゼ / 大腸菌外膜 / 青色銅蛋白質 |
Research Abstract |
1)セラチアセリンプロフア-ゼ感熟酵素のC末端アミノ酸残基の固定培地中に分泌された成熟酵素を精製後、臭化シアンで分解し、SDSPAGEから溶出することによりC末端蛋白を取得した。これをさらにリジルエンドペプチダ-ゼで完全消化し、HPLCによって分取した全ポリペプチドをN末端から配列決定することにより本酵素のC末端アミノ酸は、645Aspであることを明らかにした。 2)分泌に伴うプロセス部位の決定 本酵素が外膜透過の際にうけるプロセスに関しては、失活変異遺伝子や大腸菌OmpT^-株などを用いた実験により、(1)成熟酵素自身のプロテア-ゼ活性により645D,701E,716Gの各アミノ酸の直後でプロセスが起こること、(2)宿主大腸菌のOmpTにより675Rの直後でプロセスされること、(3)宿主大腸菌の他のプロテア-ゼにより689Qの直後でプロセスが起こることを見いだした。 3)異種蛋白分泌の試み 脱窒菌の電子伝達に関わる蛋白、青色銅蛋白と本酵素の種々の融合蛋白について検討したところ、本酵素前駆体C末ドメインとの融合蛋白では、外膜に挿入されるC末ドメインの働きにより青色銅蛋白が外膜外側まで輸送され培地側に露出したような形で存在することが示された。また、青色銅蛋白とC末ドメインのC末側半分との融合蛋白では、青色銅蛋白が培地中に検出された。このことから大腸菌外膜に挿入され安定に存在するC末ドメインの性質を利用し、異種蛋白の分泌が行なえる可能性が示されたものと考えられる。
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Research Products
(1 results)