1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660109
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 茂幸 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30092993)
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Keywords | Escherichia coli / protease / membrane |
Research Abstract |
細胞のプロテア-ゼは相互にその複雑な作用を補いあっている。一細胞におけるプロフア-ゼの相互的な役割を明らかにすることを目的とし、存在する全てのプロテア-ゼ遺伝子をクロ-ニングし、その多重欠失変異株を得ることを試みている。本研究は地道な積み重ねが必要であり、1年間で具体的な成果を挙げることはできない。計画に述べた具体的な作業がどの程度進行しているかを報告する。 (1)既知プロテア-ゼ遺伝子のクロ-ニングと多重欠失変異株の作製ーーーさしあたり表層プロテア-ゼに主眼を置いている。これまでに表層に存在する9種の既知プロテア-ゼ遺伝子のうち8種のクロ-ンを得た。8種中5種(apeA,sppA,pepN,ptr and ProteaseV)の多重変異株は作製した。この5種同時欠失変異株は正常に生育することを確認した。 (2)多重変異株作製法の検討ーーー目的遺伝子を薬剤耐性遺伝子と置き換え変異体を作製する方法は、薬剤耐性遺伝子の種類に限度があり、5種以上の多重変異株の作製はできない。ackA遺伝子とフルオロ酢酸を利用し、薬剤耐性遺伝子を残さず、かつポジティブに次失変異株を選択する方法を開発した。この方法によりクロ-ン化できた8種の同時欠失変異株の作製を現在試みている。 (3)未知プロテア-ゼ遺伝子の検索ーーー500株のSDS感受性形質転換株からなるバンク株の活性を種々の基質を用いて測定しているが現在のところ新しいプロテア-ゼのクロ-ンは見いだされていない。 本研究過程において、上記(3)のバンク中SDS感受性の顕緒なクロ-ンについては、機能を明らかにする目的で検討を行った。その結果、94.3minのkil(溶菌リポタンパク質)および、35.0minのacep(acetete permease)、5.9minの新しい外膜タンパク質、その他2種の遺伝子を新しく同定し、それらのDNA一次構造等を明かにした。
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[Publications] S.Ichihra,Y.Matsubara and S.Mizushima: "Protease I Localizedin the Periplasm and Protease V in the Membrane are Encoded by the Same Gene,apeA,in Escherichia coli"
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[Publications] S.Ichihara and I.Kawamura: "Molecular Cloning,Sequencing and Character izations of Two Small Membrane Lipoproteins in Escherichia coli"
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[Publications] S.Ichihara,K.Hosono and T.Mizuno: "Identification and Characterizations of the Acetate Permease in Escherichia coli"
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[Publications] S.Ichihara,K.Sakai and T.Mizuno: "Allelic EXchange Using the ackA Gene and a TemperatureーSensitive pSC101 Replicon in Escherichia coli"
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[Publications] 市原 茂幸,水野 猛: "新生化学実験講座 第1巻 VI 合成および発現,21.分泌タンパク質のプロセッシング" 東京化学同人,