1991 Fiscal Year Annual Research Report
微生物のCーP結合解裂反応の酵素化学的・遺伝学的解析
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03660113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 幸作 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (90142299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 善晴 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (70203263)
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Keywords | CーP結合 / CーP結合解裂酵素 / CーP結合加水分解酵素 / CーPリア-ゼ |
Research Abstract |
細菌Enterobacter aerogenesの有するCーP結合解裂酵素の精製,酵素化学的諸性質,本酵素遺伝子のクロ-ニング,本酵素の遺伝子の発現機構の解析を進めた。この酵素の基本的な反応機構とサブユニット構造(E_2とE_3の2種のサブユニットから成り,E_3は更に6種のサブユニットから構成されている。E_2は分子量55,000のサブユニット2個から成る。本酵素の全分子量は670,000である。)を明らかにした。E_2とE_3の全てをコ-ドする25キロベ-スのDNA断片をクロ-ニングした。このDNA断片を13キロベ-スと12キロベ-スの2種のDNA断片に分割し、これら2種の断片をCーP結合解裂活性のない大腸菌HB101株に導入して解析した。その結果、12キロベ-スのDNA断片上にE_2の遺伝子が存在していた。また、E_3の6個のサブユニットをコ-ドする遺伝子は,12キロベ-スと13キロベ-スの両断片上にまたがって存在していることが判った。E_2の遺伝子の塩基配列を決定するため、12キロベ-スDNA断片の制限酵素による分割を試みている。E.aerogenesのCーP結合解裂酵素は上述したように極めて複雑である。より簡単な構造のCーP結合解裂酵素を得るために、土壌細菌から本酵素のスクリ-ニングを行い、無細胞系でCーP結合解裂活性を示めす数種の細菌を取得した。その中で、特に強い活性を示めす一菌株CP10株について、その酵素化学的性質を検討した。本菌の有するCーP結合解裂酵素は、E.Aerogenesの酵素とは異なり、総分子量120,000で2種の相異なるサブユニットS_1(分子量55,000)とS_2(分子量65,000)から成っていた。CP10株の酵素は、E.aerogenesのそれより構造的に簡単なため、この酵素の遺伝子のクロ-ニングも試みた。その結果、大腸菌HB101株にCーP結合解裂活性を与えるCP10株由来のDNA断片を得た。また、CP10株は巨大細菌であるため、その同定と培養工学的特性についても検討を進めた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Kousaku Murata: "Detection of carbonーphosphorus lyase activity in cell free extracts of Enterobacter aerogenes" Biochemical and Biophysical Research Communication. 157. 190-195 (1988)
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[Publications] Kousaku Murata: "Carbonーphosphorus hydrolase:Some properties of the enzyme in cell extracts of Enterobacter aerogenes" Agricultural and Biological Chemistry. 53. 1225-1229 (1989)
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[Publications] Kousaku Murata: "Carbonーphosphorus hydrolase:Functional association of two different components for the enzyme activity in Enterobacter aerogenes" Agricultural and Biological Chemistry. 53. 1419-1420 (1989)
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[Publications] Kousaku Murata: "A microbial carbonーphosphorus bond cleavage enzyme requires two protein components for activity" Journal of Bacteriology. 171. 4504-4506 (1989)
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[Publications] 福田 民子: "CーP結合を切断する酵素" 日本醗酵工学会誌. 68. 44 (1990)
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[Publications] Kousaku Murata: "CーP bond cleavage enzyme in bacteria" Bulletin of Research Institute for Food Science,Kyoto University. 53. 53-55 (1990)
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[Publications] 村田 幸作: "細菌のCーP結合解裂酵素" 日本農芸化学会誌. 65. 1501-1504 (1991)
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[Publications] Nobue Osamura: "Cytosolic CーP bond cleavage activity in bacterial cells isolated from soil" Journal of Fermentation and bioengineering. 71. 128-130 (1991)
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[Publications] 村田 幸作: "細菌のCーP結合解裂酵素" 日本生化学会誌. (1992)