1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660126
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 厚三 群馬大学, 工学部, 教授 (50011036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 照彦 群馬大学, 工学部, 助手 (90008459)
|
Keywords | 吸着 / 高圧 / 二酸化炭素 / 超臨界流体 / タンパク質 / 水晶振動子 / 多糖類 |
Research Abstract |
食品素材の構成要素であるタンパク質や多糖類への高圧二炭化炭素の吸着現象を解明するため、まずアルブミン、カゼインおよびゼラチンへの吸着量をピエゾ電気収着法を用い測定し以下の結果を得た。 1.実験装置および方法 電極面に1wt%のタンパク質水溶液を塗布乾燥した水晶振動子(ATカット、9MHz、電極5mm^φ)を電極付高圧セル(20mm^φ×30mm^H)内の電極に取り付け、これを外部のTTL型IC(SN7400N)を用いた発振回路に組み込んだ。塗布した試料重量および吸着量は、振動子への負荷の増加による発振周波数の降下(〓F)をデジタル周波数カウンターで計測しこの値から算出した。水晶振動子の重量検出感度は、電極面へのAuおよびPdのメッキによる電着量と〓Fとの関係から、1.5×10^<-9>g/Hzであった。 2.吸着量の測定結果 アルブミン、カゼインおよびゼラチンを塗布した振動子を用い、40,50および60℃、0-29.4MPaにおける二酸化炭素の吸着量を測定した。ここで測定される吸着量は絶対吸着量であるが、圧力の増加と共に直線的に増加し、臨界圧近傍で急激に増加した後、約10MPa以上でゆるやかに増加した。これらの結果を先に発表した石英バネによる重量法での測定結果と比較した。石英バネで測定される吸着量は、表面過剰量であり、臨界圧近傍で二酸化炭素の密度、したがって浮力が急激に増加することの影響もあり、ピークに達したのち減少した。絶対吸着量と表面過剰量との差が浮力に相当する関係を用い、40℃におけるカゼインの吸着層の密度を求めた。最大吸着量に相当する吸着層の密度は約1.0g/cm^3であり、この値はDubinin-Nikolaevの式からの推算値にほぼ等しかった。吸着層の密度に対する圧力依存性を調べることにより、臨界点近傍における吸着分子の状態を推察することが可能と考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Nakamura: "Adsorption of Carbon Dioxide on Proteins in the Supercritical Region" Agric,Biol.Chem.55. 2341-2347 (1991)
-
[Publications] 星野 照彦: "高圧二酸化炭素のタンパク質および多糖類への吸着" 化学工学シンポジュームシリーズ. 35. 131-136 (1993)