1991 Fiscal Year Annual Research Report
パン酵母還元反応系を用いた光学活性グルシド-ル誘導体の工業的製造法
Project/Area Number |
03660144
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
米谷 正 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60042842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 英文 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60174885)
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Keywords | パン酵母 / (R)ー1,2ープロパンジオ-ル / 大量製造法 / 不斉還元反応 |
Research Abstract |
1.パン酵母還元法における回分法と流加法の比較 好気的条件下エタノ-ルをエネルギ-とするパン酵母還元法によるアセト酢酸エチルの不斉還元反応を基質およびエネルギ-源の添加方法に関する回分法と流加法について詳細に検討を加えた。その結果、還元速度については流加法では回分法より約20%遅くなるが、基質の総還元量は倍増し、また光学純度は99%以上の還元成績体が得られることが明らかとなった。これは筆者らか近年開発したこの新しいパン還元法では流加法が適したものであることを示している。 2.光学活性グリシド-ル誘導体の製造の検討 (1)光学活性なキノロン系抗菌剤の合成原料として最近その必要性が高まっている(R)ー(ー)ー1、2ープロパンジオ-ル(グルシド-ルの1-デオキシ体)の工業的製造法を検討した。市販のアセト-ルを基質とし上で明らかとした方法を用い最適操作条件を求めた結果、総還元量は反応液重量の約10%に達し、光学純度が99%以上の生成物を得る方法を見いだした。本法の開発によりこれまで大量合成が困難であり高価であったグリド-ル誘導体を工業的に製造する道を開拓することができた。 (2)市販のグリセロ-ルαーモノクロロヒドリンの一級水酸基をエ-テルあるいはエステル保護した後、ジョ-ンズ酸化に付す方法により種々のパン酵母還元の基質を合成した。それらについて光学純度90%以上の生成物を与える基質をスクリ-ニングした結果、現在メトキシメチルエ-テル体、アセチル体に良好な結果を得ている。
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