1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660150
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
丸山 幸平 新潟大学, 農学部, 教授 (30018535)
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Keywords | 落葉広葉樹 / 光合成速度 / CO_2濃度効果 / 個葉レベル / 個体レベル / 短期処理効果 / 温度効果 |
Research Abstract |
実験1.個葉の光ー光合成特性に及ぼすCO_2濃度効果 2-4年生のブナ(Fc),ヤシヤブシ(Af),ケヤキ(Zs)及びイチョウ(Gb)のポット苗を対象に、異なるCO_2レベル(0,150,300,500,700,900ppm)の短期処理による個葉の光合成速度(Pn),蒸散速度(E),気孔コンダクタンス(Gs)とPn/E(WUE)をSPB-H3で測定した。PARは0〜1200"μEm^<-2>S^<-1>の範囲で、10〜13段階に変化させた。Leaf Chamberの温度は約25℃、湿度は約60%以下で実験を行なった。Pnは Af>Zs>Gb>Fcの順で、飽和CO_2レベルは、Fc,Afが500ppm,Gb700ppm,Zs900ppmと種間差がみられた。EとGsは、Af>Fc>Zs>Gbの順で、その値は、高CO_2レベル下程低下し Fc,AfでCO_2レベルによる差が大きかった。WUEはPARの増加とともに急増、飽和するパターンを示し、4樹種ともCO_2レベルの高い程WUEは高まった。その値は900ppm下で、Zs>Gb>Af>Fcの順で、飽和WUEの値は低CO_2レベル下程弱光下に みられた。 実験2.稚樹の光合成、呼吸速度の及ぼす温度とCO_2濃度効果 2-4年生のブナ(Fc),ヤシャブシ(Af),ミズナラ(Qc),タニウツギ(Wh)及びイチョウ(Gb)の稚樹を対象に、個体レベルの光合成、呼吸速度に及ぼす温度別のCO_2濃度効果を検討した。CO_2レベルは、0〜900ppmで4段階、温度は16〜39℃で5段階、光条件は0、300、1200μEm^<-2>S^<-1>の3段階、湿度約60%の条件下で、測定はIRA-102を用いた。その結果、暗呼吸速度(Rd)は全種とも、高温ほど増加し、Af,Wh,Qcで高CO_2濃度下ほど減少したが、Fc,Gbでは明瞭ではなかった。強光下では、CO_2レベルによりToptに差を生じ、高CO_2レベルほどT_<opt>は高まった。T_<opt>下のPnは、高温下ほど高CO_2レベルにみられ、低温下ほど低CO_2レベルにみられた。弱光下では、全体として強光下での傾向が弱められた。強、弱光下ともFc,Qc,Gbは、好適温度範囲は比較的狭いが、Af,Whは広かった。
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