1991 Fiscal Year Annual Research Report
AE波の振幅分布とスペクトル解析による木材切削状態の認識
Project/Area Number |
03660176
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村瀬 安英 九州大学, 農学部, 助教授 (50038288)
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Keywords | 木材切削 / AE / AE振幅レベル / AE副幅分布 / 繊維傾斜角 / 木理斜交角 |
Research Abstract |
本研究は、これまで未検討であるが、多くの切削情報を有すると予測されるAE波の振幅分布特性と波形スペクトルに注目し、これらによる木材切削状態のインプロセス認識の可能性を検討するとともに、木材切削のAEの発生機構および発生源の解明を計ることを目的とする。本年度は、木材切削におけるAEの振幅レベルと振幅分布に及ぼす繊維傾斜角と木理斜交角の影響を検討し、AE特性と切り屑生成の関係を究明した。 得られた主な結果は以下のように要約される。 1.繊維傾斜角の影響において、AEの振幅レベルは順目角度0〜45°の間では繊維傾斜角の増加に伴い僅か増加する程度で大きな変化を示さないが、順目角度45°付近を越えると急激に増大する。そして、繊維傾斜角75°で最大値を示すが、90°の木口切削では大きな振幅レベルを呈している。一方、逆目切削においても同様で逆目角度45°付近から木口切削に向かってAEの振幅レベルが増大する。 2.木理斜交角の影響において、AEの振幅レベルは木理斜交角0°の横切削で特に大きく、これより木理斜交角が増加すると急激に低下する。そして、木理斜交角45°付近に最小値を呈したのち、90°の縦切削に向かって次第に増加する傾向を示す。 3.AEの振幅分布から、上記のAE振幅レベルの増大はいずれも大振幅のAEの増加に支配されていることが明らかになった。 4.本研究によって、木材切削時のAE発生に、切り屑生成におけるせん断面の変形や破壊が主要な役割を演じていると推測された。
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Research Products
(1 results)