1992 Fiscal Year Annual Research Report
アレキサンドリウム属の有毒株を識別可能なDNAプローブの開発に関する研究
Project/Area Number |
03660192
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
左子 芳彦 京都大学, 農学部, 講師 (60153970)
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Keywords | 有毒渦鞭毛藻 / 麻痺性貝毒 / アレキサンドリウム属 / DNAプローブ / サキシトキシン / ゴニオトキシン / PSP / 分子分類 |
Research Abstract |
有毒渦鞭毛藻Alexandrium catenellaおよびA.tamarenseは,毎年麻痺性貝毒を引き起こし水産増養殖ならびに食品衛生上大きな問題となっている。しかし本属の形態は酷似していることからその分類は極めて困難で、毒量も株により異なることから,簡便で客観的な識別法が急務となっている。本研究は,有毒渦鞭毛藻Alexandrium属の種内・種間ならびに有毒株を識別可能なDNAプローブを開発することを目的とした。 昨年度の研究により,田辺湾および大船渡湾から分離された毒量や毒組成の異なる両種が選別され,無菌クローン培養系により本藻から初めてDNAの分離が試みられた。しかしながら制限酵素による消化が困難であることから,本年度は本藻から新たに確立したDNA抽出法にCTABを用いた精製法を取り入れることによりDNA分離法を確立し,50kbp以上の高分子DNAを得ることが可能となった。 次にこれを鋳型として,17SrRNA3´末端と24SrRNA5´末端に設定した1組のプライマーを用いてPCRを行なった結果,両種のすベての株において約610bpのDNA断片が増幅された。これら断片の部分塩基配列を決定した結果,本断片はITS(インターナルスペーサー)1,5.8SおよびITS2領域の550bpを含むことが確認された。 さらに本DNA断片を制限酵素AluIおよびRsaIにて消化した結果,いずれの種においても制限酵素断片長多型が認められ,両種間においてその切断様式は異なっていた。次に各株のITS部位の塩基配列を決定したところ,大船渡湾と田辺湾産A.catenellaでは極めて高い相同性を示した。また大船渡湾産とアラスカ産のA.tamarenseのそれも高い相同性を示したが,タイ産A.tamarenseとは低い相同性を示した。一方両種間において本領域に多くの塩基置換が認められることから,各々の種に特異的なDNAプローブ作製の基礎が確立された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Sako: "Mendelian inheritance of paralytic shellfish poisoning toxin in the marine dinoflagellate Alexandrium catenella" Biosci.Biotech.Biochem.56. 692-694 (1992)
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[Publications] 左子 芳彦: "麻痺性貝毒の起源-海産渦鞭毛藻Alexandrium属-" 化学と生物. 30. 212-220 (1992)
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[Publications] M.Adachi: "The identification of conspecific dinoflagellate Alexandrium tamarense from Japan and Thailand by monoclonal antibodies" Nippon Suisan Gakkaishi. 59. 327-332 (1993)
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[Publications] S.Sawayama: "New inhibitor for mating reaction of Alexandrium catenella produced by marine Alteromonas sp." Nippon Suisan Gakkaishi. 59. 291-294 (1993)
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[Publications] S.Sawayama: "Inhibitory effects of concanavalin A and tunicamycin on sexual attachment of Alexandrium catenella" J.Phycol.29. (1993)
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[Publications] C.H.Kim: "Comparison of toxic composition between populations of Alexandrium spp.from geographically distant area" Nippon Suisan Gakkaishi. 59. (1993)
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[Publications] 左子 芳彦: "「微生物の生態18」アイソザイム、モノクローナル抗体法により微細藻の識別" 学会出版センター, 151 (1992)
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[Publications] Y.Sako: "Toxic Phytoplankton Blooms in the Sea" Elsevier, 952 (1993)