1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660204
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 実 東北大学, 農学部, 助教授 (70050680)
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Keywords | D-アミノ酸 / D-アスパラギン酸 / D-アラニン / 分布 / 生理機能 / 代謝 |
Research Abstract |
申請者はこれまで各種海産無脊椎動物に遊離のD型のアスパラギン酸(D-Asp)が広く分布していることを報告した。本年度はD-Aspの分析法を改良し他の全アミノ酸の光学分割分析を試みた。その結果、光学異性体が存在する一級アミノ酸14種のうちDL-Lysを除く13種類のアミノ酸の光学分割分析が可能になった。しかし、この方法を生体成分に適用した場合、他のアミノ酸類との分離を考慮すると、完全にピークとして同定出来るD-アミノ酸はAsp,Glu,Thr,Arg,Ala,Tyr,Val,Ile,Leuの9種類であった。この方法を用いて数種の海産無脊椎動物について組織毎の遊離のD-アミノ酸の分析を行った。軟体動物ではアカガイにおいて何れの組織にもD-Aspが多量に検出されたが、他のD-アミノ酸は確認できなかった。ハマグリでは量的には少ないもののいずれの組織にもD-Aspが検出されたのに加え、極めて多量(3-24μmol/g)のD-Alaがいずれの組織にも認められた。特に閉殼筋の横紋筋に24μmol/gに達するD-Aspが検出され、これはL-Aspの3倍の値であった。しかし、ホタテガイおよびマガキではエラや外套筋にごく僅かのD-Aspが検出されるのみであった。節足動物甲殼類エビジャコ(Crangon affinis)では頭部および胴部筋肉に多量(2-5μmol/g)のD-Alaが検出されたが、他のD-アミノ酸は検出されなかった。棘皮動物キタムラサキウニではD-AspおよびD-Alaがいずれの組織にも検出され、特にD-Alaはいずれの組織でもL-Alaとほぼ同程度の割合で含まれていた。50%海水に馴致させたエビジャコを低塩分濃度海水(25%)および高塩分海水(100%)に移し、経時的にD-Alaの変化を観察したところ、低塩分条件下では3.48μmol/gから48時間後には1.13mol/gと1/3に、高塩分条件下では逆に8.72μmol/gへと2.5倍に増加した。いずれの条件でもD-AspはL-Aspの変化を大きく上回り、浸透圧調節に大きな役割を持つと共に、代謝でも活発であることが推察された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagahisa,E.,Kanno,Sato,Sato: "Occurrence of free D-aspartic acid in marine macroalgae" Biochem.Intern.,. 28. 11-19 (1992)
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[Publications] Najano,T.,Sato,Takeuchi: "Partial purification and properties of glutathione peroxidase from carp hepatopancreas" Comp.Biochem.Physiol.102B. 31-35 (1992)
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[Publications] Kanno,N.,Nagahisa,Sato,Sato: "None radioactive assay for adenosine-5-phosphosulfate sulphotransferase using reversed-phase ion pair HPLC" Biochem.Intern.29. 47-55 (1993)
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[Publications] 佐藤 実 (大石 圭一 編): "海藻の科学" 朝倉書店, 201 (1993)