1991 Fiscal Year Annual Research Report
微細藻類の産生する生物活性物質の生合成経路の解明ならびにその応用に関する研究
Project/Area Number |
03660206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 昌弘 東京大学, 農学部, 助教授 (70134517)
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Keywords | Alexandrium hiranoi / Goniodomin A / 抗カビ物質 / 生合成 / 渦鞭毛藻 / 微細藻類 |
Research Abstract |
微細藻類の産生する生物活性物質の生合成経路の解明ならびにその応用に関する研究を行い以下の成果をあげることができた。 (1)Alexandrium hiranoiの無菌培養法の検討 A. hiranoiの培養はProvasoliのES栄養塩添加培地を使用し、51カブ型フラスコならびに101の広口ビンを用いて、後者については弱く通気しながら行った。後者の培養の方がGoniodomin Aの収率が前者の2倍程度(約1.5mg/101)で効率がよかった。また、標識酢酸を添加する場合には、無菌化培養を行なう必要があるので各種抗生物質を添加して無菌化をチェックした。その結果、ペニシリンG50μg/ml;ポリミキシンB50μg/ml;ネオマイシン2.5μg/ml;ストレプトマイシン50μg/ml;クロラムフェニコ-ル0.5μg/mlを添加すれば無菌化されることがわかった。なお、無菌 チェックはMM23検査培地を用いて行った。 (2)標識酢酸投与によるGoniodomin Aの生合成経路の検討 酢酸ナトリウム-1,2- ^<13>C2 50mg/l;酢酸ナトリウム-1- ^<13>C 50mg/l;酢酸ナトリウム-2- ^<13>C 50mg/lおよび上記の抗生物質をそれぞれ101広口ビンに添加し培養を行った。培養藻体を吸引ろかにより収穫し、メタノ-ルで抽出後、溶媒分画、シリカゲル、ODSのカラムクロマトグラフィ-および逆相系のHPLCにより標識Goniodomin Aを単離した。収率は101あたり1-1.5mg程度であった。標識Goniodomin Aはそれぞれ300MHzのNMRにより13Cスペクトルを測定し、標識パタ-ンの解析を行った。以上の結果に基づき、現在Goniodomin Aの生合成経路を解明中である。
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