1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660211
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀 貫治 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (50116662)
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Keywords | レクチン / 凝集素 / リンパ球幼若化因子 / ペプチジルグリカン / 酸性ヘテロ多糖 / 海藻 / 生物活性 / 活性部位 |
Research Abstract |
紅藻コメノリより抽出性が異なる2つのタイプの凝集素、すなわち"緩衝液可溶性"凝集素(carnin)と"プロナ-ゼ処理依存性"凝集素(proーCFAーIおよびII)を単離し、前者は分子量24KDの糖蛋白質(糖含有量、3%)、後者はいずれも分子量約77万のペプチジルグリカン(糖含有量、97.7および98.2%)であることを明らかにした。後者のproーCFAーIおよびIIについては、中性糖100ug当りペプチド(2.3および1.8ug)、ウロン酸(14.9および8.5ug)、3.6-無水ガラクト-ス(40.1および47.0ug)および硫酸基(75.0および85.0ug)を含み、アミノ糖とシアル酸は含まないこと、中性糖は多量のガラクト-カと少量のキシロ-カおよびラムノ-スで構成されていることを明らかにした。両タイプとも赤血球凝集およびリンパ球分裂促進作用を有するものの、活性の強さと活性パタ-ンに関し、両凝集素間に明瞭な差異あることを認めた。この相違は両凝集素の化学構造の明らかな違いによるものと考えられる。凝集因子として寄異な化学構造をもつペプチジルグリカン性凝集素の活性所在部位を明らかにする目的で、4M塩酸グアニジン処理および弱アルカリ分解を試みたが、両処理による活性の変化ならびにペプチド部分の遊離は認められなかった。そこで、種々の多糖分解酵素、蛋白質分解酵素および硫酸エステル脱離酵素を用いて酵素処理を試みたが、これら処理により活性は変化せず、また処理物の電気泳動ならびにHPLCでの検討でも未処理のものとの間に相違は認められず、本物質は上記処理で分解されにくい構造を有していることがわかった。 次に、紅藻マクサよりプロナ-ゼ処理依存性のペプチジルグリカン性凝集素、proーGAAーIおよびIIを単離し、コメノリのものと同様の検討を行い、両海藻種のペプチジルグリカン性凝集素は物理化学的性質と生物活性が極めて類似していることを認めた。
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[Publications] Kanji Hari et al.: "Peptidyl glycans with hemagglutinating and mitogenic activities isolated from the red alga Gelidium amansii" J.Biol.Chem.
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[Publications] Kanji Hori et al.: "Two types of mitogenic agglutinins,a soluble lectin(glycoprotein)and"proteaseーtreatment dependent"agglutinins(peptidyl glycans),isolated from the red alga Carpopeltis flabellata" J.Biol.Chem.
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[Publications] Kanji Hori et al.: "Occurrence of a novel group of hemagglutinins extractable by proteaseーtreatment in marine algae." Nippon Suisan Gakkaishi.