1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660237
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 政良 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (70021722)
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Keywords | 農業用水 / 利水ダム / 洪水 / 管理 / 予備放流 / 大雨警報 / 降雨量予測 |
Research Abstract |
羽布ダムにおける利水管理の実績と洪水発生,大雨警報発令の関係から,洪水に関する貯水池管理の方法についての提言を行い,その実現可能性について検証を行った。まず,平成3年度までの洪水・大雨に関する警報の発令実績を分析し,標準操作規程で想定しているような信頼を気象台からの警報に置くことが不可能であることを確認した。それは,ダムで洪水が発生しても,警報が発令されないことがあり,発令されても,十分な時間的余裕がない場合を合わせると,85%にも達するということである。そこで,逆に,洪水が発生した場合に,どのような気象台からの予測(大雨に関する)が出されていたかを検討し,十分な予備放流が実施できる時間的余裕があるという前提では,80mm以上の予測が出されていたとみるべきだということを知った。そこで,80mm以上の予測が出されたときには,必ず予備放流を実施するという基準を提言し,その実現可能性(実際の採用)を検討することにした。昭和51年から平成3年の5月〜9月中に出された80mm以上予測の回数249を,半旬別にわけ,利水管理の結果である半旬別の貯水位(安全側として,最高水位を採用)実績とから,1年当りの半旬別予備放流実施必要回数を求めた。その結果,十分な安全側の計算でも,1年当り1.3回の予備放流で済むことがわかった。ただし,小規模の洪水発生を考えて,常時0.1mの水位低下を確保することとすれば,さらに安全度が高まり,現在のように1m,100万m^3の容量を確保し,利水上の危険性を高めずに済むことがわかった。
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