1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660246
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
深田 三夫 山口大学, 農学部, 助手 (20116750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 達朗 山口大学, 農学部, 教授 (50038238)
|
Keywords | 土壌侵食 / リル侵食 / フラクタル次元 / スペクトル / 植生形態 / 被覆率 |
Research Abstract |
模擬斜面において粘土比を変えた土砂の流出実験を行い,リルの3次元的形状とリル網からの流出土砂量の時間変化を測定し次の結果を得た.(1)粘土比の変化が侵食に及ぼす影響はリルの横断面の横幅である.粘土比が小さくなると上流部分の急激な侵食により下流に堆積を生じやすくなり水みちが一定せず蛇行を繰り返し,横断面は横方向に広がり斜面の上流部分から河床勾配が水平に近づいていく,(2)粘土比の減少に伴い流出土量は増加する.(3)深さ方向の侵食量が卓越すると横方向の侵食量が減少し,横方向の侵食量が卓越すると深さ方向の侵食量が減少する. リルの発達時の平面,断面形態をフラクタル次元とスペクトル解析を用いて数量化を行い次の結果を得た.(1)流出土砂量が最大となる時間と平面形態のフラクタル次元の安定時間はほぼ同じ時間である.(2)平面形態が安定すると流出土砂量は減少し始める.つまり平面形態が落ち着いて河床が安定する.(3)平面形態のパワースペクトルはフラクタル次元ほどはっきりした傾向は見られないが、時間経過に伴い徐々に低い値をとり安定していく傾向があり,流出土砂量との関係はフラクタル次元の場合と同様である.(4)すべての傾斜角において,またどの位置の横断面形態も時間経過とともに単純な形態になっていく.(5)流出土砂量,平面形態のフラクタル次元,パワースペクトルの経時変化を含めて考察すると,侵食の前半は平面的に侵食が進行し,その後は深さ方向へ侵食が進行する.(6)横断面形態の変化が流出土砂量のピーク値に大きく影響を与える. 植物の成長および植被状態,侵食量との関係を調べるために,5つに枠試験区で植生形態の異なる植物を栽培した.比較的高さのある枝豆,とうもろこし,丈の低い植物としては牧草,にんじんを栽培した.また,対象区として裸地を使用した.作物の生長に応じた被覆率と高さの測定を行い,さらに表面流出量および土壌流亡量の観測を行った.
|