1992 Fiscal Year Annual Research Report
農業生産における運搬システムの実態評価と改善に関する研究
Project/Area Number |
03660259
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 道秋 新潟大学, 農学部, 教授 (20001464)
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Keywords | 運搬仕事 / マテリアルハンドリング / 一輪車 |
Research Abstract |
人力による手作業での運搬および積み上げ、荷下ろしといった作業の実態を数量的に評価するのに、[仕事](単位:Kg-m)として扱うのが適切であることを前年までに明らかにし、今年度は当大学農場で扱う全作物の栽培期間内に行う運搬(荷役)作業総ての調査に加え、いくつか異なる地域、作物について調査を行った。それらの結果から、仕事と延作業時間の両者の関係から作業の特異性で類型化できる。例えばダイコン、スイカに見られるように運搬単位重量が比較的小さく、仕事量は小さいが延作業時間を多く要するものと、コンテナ扱いのバレイショの場合のように仕事量で大きくなるが作業時間が小さくなるものなどである。つまり、前者は労働強度は小さいが能率低く、ユニット化等の工夫による合理化が必要であり、後者は能率は高いが労働強度が高いことから積み上げ・荷下ろし作業などの機械化の工夫が必要になる。すなわち、こうした類型化でそれぞれの作業の改善方向が明確になることから、調査手法として最適であると判断される。したがって、これらの手法による調査を特に単位重量の大きくなる根菜作物で引き続き行う必要がある。一方、それら荷扱いの改善として、ハンドリングの機械化があり、本研究ではコンテナピックアップ装置の試作と汎用的に使用されている一輪車のハンドル負荷特性の解析を進めてきた。前者については、当初トラクタ前装式で設計したが目標能率への到達が困難であると判断し、トラック装着型のリフトの試作を進めたが、荷下ろし時への汎用的利用をも考えて更に改良を要する。後者については、主にハンドル負荷を中心に実験を進めてきたが、結果を踏まえて、農産物の取扱に最適な設計条件を整理する必要がある。
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