1991 Fiscal Year Annual Research Report
食品の熱物性の測定ー食品の有効熱伝導率の測定と平衡含水率のヒステリシス解明ー
Project/Area Number |
03660264
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
田川 彰男 東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (90216804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 博成 東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (20215594)
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Keywords | 食品熱物性 / 有効熱伝導率 / 平衡含水率 / 飽和塩 / 乾燥過程 / 吸湿過程 |
Research Abstract |
本研究課題では食品素材(今回は特に農産物の中の小豆)について、非定常線熱源法を用いた有効熱伝導率の測定と乾燥過程および吸湿過程の平衡含水率の測定を行うが、本年度実施した内容については以下の通りである。 1. 食品の有効熱伝導率の測定 これについてはまだ予備実験の段階である。その理由の一つとして、ジュ-ル熱供給電源が当初予定の6Vー108HAの電池が入手できなくて直流定電圧電源を用いたため、熱伝導率測定時のその安定性をチェックする必要がある。そこで基準物質(水)の熱伝導率を20,40℃の温度で測定し、電源の安定性には問題がないことはわかったが、水の熱伝導率の測定値は文献値とやや異なった値を示した。これは試料容器中の水の対流による影響と考えられ、水の替わりに高分子吸水ポリマ-(日本触媒(株):アクアリックCA Hー2)を使用することとした。このポリマ-は約100倍に膨潤してゲル状となって取扱が極めて簡単であり、得られたデ-タも水の文献値とほぼ一定致した。これより本測定装置によって小豆の熱伝導率の測定を行っても差し支えないものと考えた。また、直径30mm、高さ150mmの銅製円筒容器中の試料中心温度と、ウォ-タ-バスの比較したところ、ウォ-タ-バスが設定温度に達した後の試料中心温度との差は、ポリマ-で12〜14分、円筒容器に疎充墳したときの小豆では24〜25分間で0.1℃(4μV)以下となった。なお、このときの試料小豆の含水率は12.1%(w.b.)で、かさ密度は平均830kg/m^3、ピクノメ-タ-法による真密度は20℃で1334kg/m^3であり空隙率は0.38であった。今後はこれららの結度を基に、いろいろな含水率、温度、空隙率について測定を行い、有用な実験式を求めたい。 2. 平衡含水率の測定 飽和塩を用いた静的測定法により乾燥、吸湿両過程で30、40,50,60℃について測定したが良いデ-タが得られなかった。これは初期水分の調整法に問題があると思われ、再度測定を行うこととした。
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