1992 Fiscal Year Annual Research Report
食品の熱物性の測定-食品の有効熱伝導率の測定と平衡含水率のヒステリシス解明-
Project/Area Number |
03660264
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULTURE |
Principal Investigator |
田川 彰男 東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (90216804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 博成 東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (20215594)
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Keywords | 熱物性 / 有効熱伝導率 / 熱膨張係数 / 水分膨張係数 / 平衡含水率 |
Research Abstract |
豆類の有効熱伝導率、密度、平衡含水率の測定を行い、いくつかの知見を得た。 1.豆類の有効熱伝導率の測定 非定常線熱源法を拡張した棒状熱源(プローブ)を用いた方法により、豆類の有効熱伝導率の測定を行った。試料として用いた豆類は小豆、大正金時、大手亡の三種類であり、試料豆の含水率、温度を変え、豆類の含水率に関しては5,10,15,20,25%(w.b.)の5段階、温度に関して10,20,30,40,50℃の5段階で測定された。豆類の熱伝導率に関して、各設定温度ごとに有効熱伝導率と含水率の関係を最小二乗法を用いて当てはめを行ったところ、ほぼ一次の関係があることが分かった。また、温度に関しても小豆についてはほぼ一次で表される傾向であった。今後はかさ密度を変化させて熱伝導率の測定を行い、含水率、温度、かさ密度の関数としての実験式を検討したいと考える。 2.豆類の熱膨張係数と水分膨張係数の測定 置換液体としてトルエンを用いるピクノメータ法により、豆類の密度を測定した。試料に用いられた豆類は小豆、大正金時、大手亡の三種類で、含水率に関しては0〜25%(w.b.)で5%ごとに6段階、温度に関しては10〜50℃で10℃ごとに5段階でそれぞれ測定された。また、測定された密度の値は乾量基準の比容積に換算され、その比容積と含水率および温度との関係が求められた。この結果を利用することにより、熱膨張係数、水分膨張係数が得られた。 3.豆類の平衡含水率の測定 静的測定法により、脱離(乾燥)過程における豆類の平衡含水率の測定を行った。試料に用いた豆類は、小豆、大正金時の二種類で、温度に関しては30〜60℃の4段階で行われ、3種類の平衡含水率式へ当てはめ、整理を行った。吸湿過程とのヒステリシスは今後の課題として残された。
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