1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660270
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
清田 信 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (90117995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 高司 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20208838)
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Keywords | 貯蔵ガス環境調節 / 熱帯産果実 / 鮮度保持 / 酸素濃度 / 二酸化炭素濃度 / CA効果 / フィルム包装 |
Research Abstract |
本年度は、熱帯産果実としてパパイヤを用いて鮮度保持効果の認められる酸素濃度および二酸化炭素濃度について検討した。 20-25℃の気温では、約2%の酸素濃度下でパパイヤの鮮度保持効果を認めた(前年度)が、約1%の酸素濃度では果色の変化を抑制する効果はあったが果肉の軟化を促進し、香りも悪くなった。この結果より、酸素濃度は2-3%に調節し、1%以下は不適である。 二酸化炭素濃度5%では果実の外観、硬さに変化はなかったが、20-25℃では低い酸素濃度下で呼吸が抑制された場合果実内の二酸化炭素濃度が6-7%に留まるが、酸素濃度が高いと呼吸が抑制されないため果実内の二酸化炭素濃度が10%を上回ることもあった。パパイヤのような呼吸量の多い果実の内部の二酸化炭素濃度が上昇しすぎるとガス障害が発生するため、この上昇を抑制する必要があろう。 上記気温(20-25℃)では、酸素濃度を低く調節することがパパイヤの鮮度を保持する上で有効であることが明らかとなったが、次に気温を下げた場合のCA効果を調ベた。 5-7℃で約2週間は、酸素濃度の違いによる影響の差は顕著でなくまた、低酸素濃度下で低温障害が発生することもなかった。今後はさらに長期の検討が必要であろう。 以上、酸素濃度、二酸化炭素濃度の範囲がほぼ把握できたので、前年度の呼吸速度と気温との関係から、数値シミュレーションによって、フィルム包装した場合や簡易な貯蔵庫を利用した貯蔵ガス環境制御法を検討している。そして、アボガドについても研究中である。
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