1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660271
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 純治 北海道大学, 農学部, 助教授 (50002374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 匡 北海道大学, 農学部, 助手 (30230072)
清水 弘 北海道大学, 農学部, 教授 (90001453)
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Keywords | 性判別 / DNA / PCR / 豚 |
Research Abstract |
目的:家畜の受精卵移植の際の性判別は胚の一部の細胞を生検し、その雄特異的なDNA断片をPCRによって増幅し調べる方法が最も実用的な方法となってきている。しかし、現在知られているウシの雄特異的断片の塩基配列や、PCRのためのプライマ-は、わが国において開発されたものではなく、特許の関係から商業的利用は制限されている。そこで、新たに家畜の雄特異的断片の検出を試みるとともに、ブタにおいては、そのPCR用のプライマ-がまだ報告されていないことから、その検索とPCRの方法について検討した。 結果:新たな雄特異的DNAの検出を非放射性の標識を用いて行う方法について、マウスを用いて実験した。まづ、Enrich delation法により雄特異的と思われるDNA断片を選びだし、pBR322にこれらを挿入した。大腸菌HB101に導入増殖後、DNAの一部を取り出し、非放射性の標識法であるジゴキシゲニン抗体を用いた方法により標識した。これらを雌雄のマウスのDNAとドットブロット法によって調べた結果、選び出した35の組換え体のうち3個体が雄のDNAとのみ反応した。これらは、雄特異的なDNA断片を含むものと思われ、これらの塩基配列について現在解析中である。次に、ブタにおいてPCR法により雄特異的DNA断片の増幅のためのプライマ-とその最適な検出方法について実験した。Genderーneutralな塩基配列の検出のためのプライマ-は、Akamatsu et al.(1989)の報告した塩基配列の15ー25番目と913ー933番目の塩基配列部分に基づき合成した。またmaleーspecificな塩基配列の検出のためのプライマ-はMcGraw et al.(1988)の報告した配列から1ー23番目と1166ー1188番目の塩基配列に基づき合成した。これらを用いて、PCRを行った結果、雄特異的な二本のバンドと雌雄に共通な一本のバンドが明かに検出でき、受精卵の性判別に使えることが明かとなった。
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