1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660276
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉田 元一 信州大学, 農学部, 教授 (10021049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 宮雄 長野県畜産試験場, 酪農部, 研究員
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 助教授 (10177264)
|
Keywords | 乳牛の行動 / 泌乳能力 / 多変量解析 |
Research Abstract |
本年度は昨年度育成牛であった子牛が、長野県経済連八ッ岳牧場で交配され、妊娠し、6月から11月まで同牧場で放牧飼育された妊娠牛の諸行動を因子分析した。さらに、これらの資料に昨年度行った育成時の資料を加え、同じ牛の育成時から妊娠時までの諸行動についても因子分析を行った。本報告では後者の結果についてのみ述べる。 上記の妊娠牛30頭について、育成時から妊娠時まで観察した諸行動および体重などの14変量を主因子法、バリマックス回転により因子分析を行った。 その結果、これらの変量は主に第1要因から第5要因に分割され、第5要因までの累積寄与率は89%であった。各要因に関与していた変量を解析した結果、第1要因は育成時の横臥、第2要因は妊娠時の鈍重性、第3要因は妊娠時の社会的順位、第4要因は妊娠時の横臥、第5要因は育成時の社会的順位にそれぞれよるものと考えた。 これらの結果から、育成時と妊娠時の横臥、鈍重性または社会的順位は別の要因に分割され、たとえば両時期の鈍重性の間には関連性がなかった。すなわち、育成時に鈍重であった牛と妊娠時に鈍重であった牛は異なり、本研究で定義した鈍重性という要因は両時期で一定したものでなく、変化することが推察された。同様のことが他の要因の横臥および社会的順位性にも云え、総括すると、乳中では育成時および妊娠時の諸行動間には関連性が認められなかった。 今後、泌乳時の諸行動および泌乳能力を加えて分析するが、これらの変量がどのように育成時または妊娠時の諸行動に関連するのかは非常に興味深いことで、来年度の解析が待たれるところである。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 吉田 元一: "放牧時における乳用子牛の行動解析" 日本畜産学会報. 63. 224- (1992)
-
[Publications] 吉田 元一: "育成時および妊娠時における乳用牛の行動解析" 日本畜産学会報. 64. 208- (1993)
-
[Publications] 吉田 元一: "育成時および妊娠時における乳牛の行動解析" 信州大学農学部紀要. 30. (1993)