1992 Fiscal Year Annual Research Report
反芻の意義、特にルーメン内消化に及ぼす影響について
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03660285
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULTURE |
Principal Investigator |
津田 恒之 東京農業大学, 農学部, 教授 (00005571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半澤 恵 東京農業大学, 農学部, 助教授 (00181032)
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Keywords | メンヨウ / 反芻 / チオシアン酸塩 / 吐き戻し食塊 / 飼料粒度 / 唾液 / 湿式ふるいわけ / ナイロンバッグ法 |
Research Abstract |
1.吐き戻し食塊の性状と粒度分布の経時的変化。 (1)食道およびルーメンフィステルを装着したメンヨウ2頭(平均体重30kg)を用い、22時間にわたり、吐き戻し食塊を採取した。全採取量は3391g/118回であった。この量はこの動物の全ルーメン内容にほぼ匹敵すると思われた。この例を含め、すべての実験例で1回吐き戻し量は小5gから最大110gに分布した。しかし、10g〜40gを吐き戻す頻度が高かった。吐き戻し食塊の乾物量は平均7、4%で経時的にわずかに減少した。ルーメン内容も採食後経時的に乾物量が減少すると云われるから、その影響が吐き戻し食塊にも現われたものと思われる。 (2)吐き戻し食塊の粒度分布を湿式ふるいわけ法で測定し、その結果を1190μm以上(大粒子)、45μm以上(小粒子)および45μm以下(可溶性区分)にわけて整理した。得られたすべての試料の分析結果をまとめると、大粒子、小粒子、可溶性区分はそれぞれ14、42、44%を占めた。経時的には大粒子区分がわずかに減少するものの、他の2区分には変化は認められなかった。各時間ごとに得られた食塊の平均粒子経の平均は635μmで経時的変化は見られなかった。第二胃内容物中、比較的安定した小粒子より構成される中間層区分が吐出されるためであろう。 (3)また吐き戻し食塊のナイロンバッグ法による乾物消失率の平均は50、4%であった。この場合の経時的変化は認められなかった。 2. 吐き戻し時における唾液分泌増加機構。 チオシアン酸塩を唾液分泌量推定のための指示物質として使用する方法を確立した。吐き戻し時にはたとえ、食塊が口腔内に戻らなくても唾液分泌が増加することを知った。現在、その機構について解明中である。
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