1991 Fiscal Year Annual Research Report
化学伝達物質としてのウシラクトフェリンの機能とその構造ユニットの解明
Project/Area Number |
03660289
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
島崎 敬一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10091547)
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Keywords | ラクトフェリン / 単球 / レセプタ- |
Research Abstract |
乳腺細胞を始めとする各種の分泌細胞、さらには好中球から分泌される鉄結合性糖蛋白質のラクトフェリンは、よく知られている静菌作用の他に、骨髄性造血作用をはじめ免疫機能調節などの生物学的活性を示すことが、近年知られてきた。そこで本実験計画では、これらラクトフェリンの化学伝達物質としての性質の解明を目標とし、その初年度に当たる本年は、牛血液から分離した単球と牛乳から精製したラクトフェリンとの相互作用を検討した。 まず、単球を分離するための方法を種々検討し、最適な方法を見出すための試験を行った。すなわち、へパリン処理牛末梢血液をEDTAを含むリン酸緩衝液と混合し、遠心分離操作によって単核細胞を得た。次いでPercollを用いた様々な密度勾配条件下で単核細胞からの単球の分離方法を検討した。その結果、牛の単核細胞の分離はFicollーConrayよりも単にリン酸緩衝液を使った方が収率も純度も高い結果が得られた。その後、単球は不連続密度勾配Percollよりも、比重1.068g/mlに調製したPercollによる自己形成密度勾配を用いた方が容易に分離出来た。 ラクトフェリンは牛乳からイオン交換クロマトグラフィ-およびゲル濾過クロマトグラフィ-によって精製したものを用い、 ^<125>IーBoltonーHunter試薬でラベルした。単球と ^<125>Iーラクトフェリンの混合溶液をCa^<2+>、Mg^<2+>を含むリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて室温で培養し、経時的に結合ラクトフェリン量をγーカウンタ-にて定量した。この単球と ^<125>Iーラクトフェリンの結合実験の結果、ラクトフェリンは単球と特異的に結合していることを示す結果が得られた。この事実からウシにおいてもヒトの場合と同様に単球の膜表面にラクトフェリンに対するレセプタ-が存在していることが推察された。
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Research Products
(1 results)