1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660290
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 敞敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 春樹 東北大学, 農学部, 助手 (10204885)
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Keywords | 乳酸菌 / L.gasseri / インターフェロン / マクロファージ |
Research Abstract |
発酵乳に用いられる乳酸菌のうち、L.acidophilusグループの中で特にヒトの腸管に優勢であると考えられているL.gasseri13菌株について、マクロファージ刺激によるインターフェロン誘起能について調べた。インターフェロン力価は、マクロファージと乳酸菌の混合培養上澄液の、マウス細胞に対する口内炎ウイルスによるプラーク形成率より求めた。いくつかの菌株によりインターフェロンの誘起が認められ、そのタイプはα/β型であることが知られた。この結果、L.gasseriの中には、腸内において生理的効果を発揮する作用のあることが示唆された。 L.acidophilusグループの乳酸菌体が、腸内において生物活性を示す有効成分を明らかにする目的で、9菌株について菌体および細胞壁成分の免疫賦活化作用を、マウス脾臓リンパ球に対する幼若化作用を調べることにより測定した。菌体全体を用いた場合の作用では、1菌株にのみ有意な効果が認められたのみであったが、細胞壁成分を分離し、酵素分解によって可溶化させた成分では、6菌株において有効性が認められた。そこで、特に活性の高かった1菌株の細胞壁成分の有効成分を検索する目的で、可溶化した細胞壁をイオン交換クロマトグラフィーで分画し、各分画成分のリンパ球幼若化活性を調べた。有効成分はカラム吸着画分に高く、糖組成を中心に構成成分を調べたところ、グルコース、N-アセチルグルコサミン、グリセロール、リンおよびムラミン酸を含んでおり、グルコースに対するN-アセチルグルコサミンの割合の高い画分の活性が高かった。また、B細胞に対して特に作用することが認められた。これらの結果、乳酸菌細胞壁に免疫賦活化作用のあることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Matsumura,H.Kitagawa,T.Itoh and T.Yamaguchi: "Interferon Induction by murine Peritoneal macrophage stimulated with Lactobacillus gasseri" Animal Science and Technology. 63. 1157-1159 (1992)
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[Publications] M.Yamada,J.Uemura,T.Saito and T.Itoh: "Lactobacillus acidophilus 細胞壁成分のリンパ球幼若化作用" 日本蓄産学会報. 64. (1993)