1991 Fiscal Year Annual Research Report
牛血液から調製したニトロソヘモグロビンの食肉製品への有効利用
Project/Area Number |
03660297
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
永田 致治 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30038202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 亮一 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (10153892)
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Keywords | 亜硝酸塩 / 食肉製品 / 着色料 / 屠畜血液 / ニトロヘモグロビン / 発色 / ヘモグロビン |
Research Abstract |
屠畜場で得られる家畜の血液は、肥飼料としての利用が大部分であり、これを食品材料として有効に活用するには検討すべき多くの課題が残されている。特に血液成分のうち、赤血球部の食品分野への用途は、かなり限定された範囲に留まっているのが現状である。本研究は、屠畜血液の赤血球部の有効利用をはかる一手段として、その主成分であるヘモグロビン(Hb)そのものに亜硝酸塩(NaNO_2)とアスコルビン酸塩(NaAsA)を直接添加し反応させることによってHbをニトロソ化し、これを塩漬肉色の面から肉製品の着色料として利用しうる可能性について検討を行うことを目的としている。そこで、屠畜血液のHbのニトロソ化反応条件について、先ず検討を行った。牛血液Hb粉末より調製したHb溶液にNaNO_2とNaAsAをそれぞれ100mM添加した場合、反応1日目において全Hbの80%以上がニトロソ化した。この反応液中の発色色素はかなり長時間安定に保たれたが、NO^-_2は2℃において10日目に約3,600ppm残存した。反応条件について検討し得られた25mM NaNO_2-25mM NaAsA,pH4.5のHb反応液では、Hbのストロソ化が速やかに進行し、発色率は2℃で貯蔵14日目においても85%以上を保持し、一方、20℃では10日目において明らかな減少が観察された。貯蔵中のHb反応液中に残存NaNO_2は検出されなかった。次に、この条件で調製したHb反応液を、原料肉に対し0.02%NaNO_2-0.1%NaAsAとともに0.5および1%添加し試作したソ-セ-ジの発色状態を調べた。その結果、Hb反応液の添加によって発色は増強され、定量したソ-セ-ジ中のニトロソヘム色素の増加割合から、添加したHb反応液中のニトロソヘモグロビンは、ほぼ定量的に製品の発色に寄与していることが確認された。
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[Publications] 坂田 亮一,永田 致治: "Mechanism for the:Clolr Formation of Cooked Cured Pork by an Endogenous Factor" Fleisch wirt schaft. 71. 1188-1190 (1991)
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[Publications] 坂田 亮一,永田 致治: "Farbentwicklungsmechanismus bei gekochem gepokeltem Schweineflesich beruhend auf einem endogenen Faktor" Fleisch wirt schaft. 71. 1209-1212 (1991)
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[Publications] 坂田 亮一,永田 致治: "Heme Digment Content in Meat as Affected by the Addition of Curing Agents" Meat Science.
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[Publications] 永田 致治,坂田 亮一: "Nitrosation of Hemoglobin from Animal Blood as a Colorant of Meat Products" Animal Science and Technology.
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[Publications] 永田 致治,坂田 亮一: "食肉・肉製品の科学ー第5章 肉製品製造総論" 学窓社,森田重廣 監修, 30 (1992)