1991 Fiscal Year Annual Research Report
In situ hybridizationによる生体内パラニュ-ロンの個体発生的研究
Project/Area Number |
03660300
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
谷口 和之 岩手大学, 農学部, 助教授 (70148089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和重 岩手大学, 農学部, 講師 (60231221)
鈴木 幸一 岩手大学, 農学部, 助教授 (20003791)
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Keywords | パラニュ-ロン / カルシトニン / アフリカツメガエル / 鰓原器 / 変態 / 免疫組織化学 / 形態計測 |
Research Abstract |
甲状腺のカルシトニン分泌細胞(C細胞),上皮小体のパラソルモン分泌細胞(PTH細胞),副腎髄質のクロム親和細胞,下垂体や膵島の各種内分泌細胞などは神経細胞と内分泌細胞の中間型と考えられ,これらの細胞を包括するパラニュ-ロンという概念が最近新たに提唱されるようになった。これらの細胞はいずれもペプタイドあるいは生理活性アミンを合成,分泌し,発生学的には外胚葉性あるいは内胚葉性で,かつ上皮性の由来といわれている。一方,甲状腺,上皮小体,鰓後体などは発生学的に鰓嚢に由来するため,鰓原器と総称されている。このうち鰓後体は鳥類までは独立の器官として存在するが,哺乳類では発生の途中で甲状腺と合体し,C細胞として甲状腺内に散在するようになる。これらの鰓原器のうち甲状腺は両生類の変態に際して指導的な役割を果たすといわれており,また上皮小体と鰓後体はいずれも生体内のカルシウム代謝に関係するパラニュ-ロンである。そこで本研究では両生類のアフリカツメガエル(Xemopus laevis)を材料として用い,アフリカツメガエルの変態における甲状腺,上皮小体,鰓後体の動態を形態計測と免疫組織化学の併用によって検討した。その結果,甲状腺と鰓後体の体積,上皮の高さ,免疫反応はいずれも変態最盛期であるステ-ジ61でピ-クに達し,以後減退したが,上皮小体は変態完了まで一貫して発達を続けることが明らかとなった。このことは,変態に際する骨の形成と再吸収における甲状腺,上皮小体,鰓後体の生理的機能とよく対応するものと思われた。 なお,in situ hybridizationによるカルシトニン遺伝子関連メッセンジャ-・RNAの検出も試みたが,今回の研究では最終的な検出方法を確立するに至らなかった。
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