1991 Fiscal Year Annual Research Report
肝代謝調節におけるkupffer細胞の役割に関する研究
Project/Area Number |
03660309
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
菅野 司 大阪府立大学, 農学部, 教授 (30081516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和弘 大阪府立大学, 農学部, 助手 (30192561)
塩田 昌一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10137242)
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Keywords | kupffer細胞 / Zymosan / 交感神経 / ロイコトリエン / プロスタグランジン / 肝糖代謝 |
Research Abstract |
研究の目的は生体防御と肝障害性に関連するKupffer細胞の機能は主としてin vitroにおいて解析されてきているが肝という臓器組織構造の中で,kupffer細胞,実質細胞,神経とがどのような関わりを持ちながら物質代謝に機能を発揮していくのかを明らかにすることである。 平成3年度はラット肝潅流系において,肝神経を刺激するとkupffer細胞からαー受容体を介してプロスタグランデイン(PGs)が放出され,肝実質細胞に作用してグリコーゲン分解を促進することを明らかにした。一方,ラットを寒冷暴露すると交感神経が活性化するとともに,肝臓からのグルコ-ス供給の増加が要求される時神経ーkupffer細胞の応答が減弱する結果をえた。その応答の減弱は刺激時のnorepinephrine遊離の減少ではなく,PGs産生の減少に因ることを明かにした。一方,kupffer細胞に特異的に貧食されるzymosanのグリコ-ゲン分解の効果は寒冷暴露により増加した。この増加は貧食能の増加ではなく,PGs産生の増加に求められた。従って寒冷暴露による神経刺激の効果の減弱はnorepinephrineに対するkupffer細胞の応答の減弱に求め得ることを明かにした。研究成果は神経ーkupffer細胞ー実質細胞の相互関係は動物の飼育環境に影響されることが示唆された。これらの成績は肝代謝調節に於けるkupffer細胞の役割の重要性を認識させる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] MASAKAZU SHIOTA,YUKI KURANO,YOSHITAKA MOCHIZUKI,KAZUHIRO KIMURA,and TSUKASA SUGANO: "Effects of nerve stimulation and zymosan on glyoogenolysis in perfused livers from coldーexposed rats." Am.J.Physiol.,Gastrointestinal and Liver Physiology.