1991 Fiscal Year Annual Research Report
草食性ハタネズミの各種代謝性疾患における能動輸送能と酵素活性の変動
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03660314
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
大木 与志雄 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (30120760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 敏郎 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (70184257)
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Keywords | ハタネズミ / 能動輸送能 / NaーK ATPase / ヘキソキナ-ゼ / ATPークエン酸リア-ゼ / アセチルCoAカルボキシラ-ゼ |
Research Abstract |
1、草食性ハタネズミにおける第一胃ならびに肝臓その他の臓器組織における能動輸送能および諸酵素活性の測定 (a)能動輸送能 ^<42>Arー ^<42>Kジェネレ-タ-により生産された ^<42>Kをハタネズミに経口投与した結果、30〜60分後、醗酵槽である前胃(1胃)と小腸(12指腸)において、 ^<42>の吸収能が最も高かった。肝、腎、心臓および脂肪組織への ^<42>Kの取り込み量は肝が最も高値を示した。Na^+ーK^+ATPaseは肝、腎、骨格筋の間で比較した結果、骨格筋が最も高く、他の臓器の3倍以上であった。 (b)肝臓における酵素活性 草食性ハタネズミにおける肝解糖系酵素であるグルコキナ-ゼとヘキソキナ-ゼはマウスのそれに比べて大変低く、それぞれ1/4および1/2の活性値を示した。また脂肪酸合成の律速酵素である肝ATPークエン酸リア-ゼとアセチルCoAカルボキシラ-ゼの両酵素活性もマウスと比べて、各々1/5と1/2以下と著しく低く、ハタネズミの脂肪酸合成能力はマウスに比べ著しく低いことが示唆された。 2、各種配合飼料給与による代謝疫患の誘発 (a)食餌性糖尿病の誘発 草食性ハタネズミに低線維高カロリ-食を給与した経果、50%以上のハタネズミに於て糖尿病の誘発が見られ、6週間以上の糖尿が持続した重篤な糖尿病ハタネズミにおいては、インスリン分泌が著しく低下した。 (b)実験的ケト-シスの誘発 ハタネズミを24〜48時間絶食した結果、容易に飢餓ケト-シスが誘発され、ほゞ全例において、尿中ケトン体の出現と、血液中ケトン体の著しい増加が認められた。
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