1991 Fiscal Year Annual Research Report
異なる受容体を備えるシナプス後膜活性領域の構造特異性
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03670002
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 助教授 (80004662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外崎 昭 山形大学, 医学部, 教授 (90004572)
小池 数与 山形大学, 医学部, 助手 (80234657)
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Keywords | シナプス構造 / 脊髄 / 毛様体神経節 / 副腎クロマフィン細胞 / 凍結割断レプリカ法 / ディ-プ・エッチング法 / シナプス受容体 |
Research Abstract |
神経伝達物質の受容蛋白が、シナプス後膜にいかなる形で組込まれているかは、神経筋接合部を除き、ほとんど知られていない。ここでは、性質の異なる受容体を備える中枢および末梢のいくつかのシナプス受容膜について、免疫電顕および凍結割断エッチング法により観察し、各シナプスの後膜活性領域に特有な受容体構造を理解しようとするものである。平成3年度では、おもに凍結割断エッチング法による実験がなされ、以下の結果を得た。 1.アフリカツメガエル脊髄の興奮性S型シナプスと、抑制性F型シナプスをエッチングレプリカ上に区別することができた。両者の後膜活性領域の真の内・外表面には、膜内粒子(IMP)の特異集合を反映する粒状構造を認めた。また、後膜内表面の粒状構造の一部が細胞骨格と結合することを認めたが、S型とF型の後膜表面構造に明確な違いを示すに至っていない。 2.自律神経系シナプスのニコチン性SCh受容体を備えるニワトリ毛様体神経節の後膜P面には、径8nmと10nmのIMPの集合(3140/μm^2)が認められた。一方ムスカリン受容体のみを備えるニワトリ副腎クロマフィン細胞のシナプス後膜にも、同様のIMPの集合(3770/μm^2)がみられた。従来の考えと異なり、ニコチン性と同様、ムスカリン性受容体もシナプス後膜に集合することが確かめられた。またニコチン性およびムスカリン性受容体が、それぞれ200ー250kDa,70ー80kDaの分子量をもつIMPであるとされることから、神経節の10nm IMPおよびクロマフィン細胞の8nm IMPが、それぞれニコチン性、ムスカリン性受容体と密接に関連する蛋白構造であることが示唆される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Toshihiko Kikuchi: "Microtubule subunits of guinea pig vestibular epithelial cells." Acta Otolaryngol.(Stockh),Suppl.481. 107-111 (1991)
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[Publications] Hiroshi Washioka: "Horizontalーcell gap junction in the goldfish retina:Area and density of particles as revealed by complementary freeze replicas." Arch.Histol.Cytol.54. 181-188 (1991)
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[Publications] Hiroshi Watanbe: "Nicotinic and muscarinic postsynaptic membranes:Ultrathinーsection and freezeーfracture studies." J.Autonom.Nerv.Syst.33. 144-145 (1991)
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[Publications] Mika Yoshida: "Antiーlamprey retinal antibodies:Immunohistochemistry on the retinas of several species of vertebrates." Cell Tiss.Res.266. 419-426 (1991)
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[Publications] 渡辺 皓: "神経細胞刺激受容領域の膜構造の変化" 産研. 7. 26-28 (1991)
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[Publications] Hiroshi Watanabe: "Intramembrane particles in the postsynaptic membraens of the Sー,Fー,and Cーtype synapses by freezeーfracturing and deepーetching studies on the Xenopus spinal cord." Adv.Exp.Med.Biol.287. 349-354 (1991)
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[Publications] 渡辺 皓: "ニュ-ロサイエンス講座、第2巻「新しい神経伝達研究法・I」電子顕微鏡" 工藤佳久,佐藤公道,編(広川書店), (1992)
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[Publications] 渡辺 皓: "「電子顕微鏡チャ-トマニュアル」レプリカ法:解説" 二重作豊,安達公一,朝倉健太郎,編(医学出版センタ-), (1992)