1991 Fiscal Year Annual Research Report
受精能獲得と透明帯付着機構に関する精子の形態学習的研究
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03670004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
豊田 二美枝 千葉大学, 医学部, 助教授 (60009751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 眞見子 千葉大学, 医学部, 助手 (20181571)
永野 俊雄 千葉大学, 医学部, 教授 (60009082)
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Keywords | 受精能獲得 / 精子 / 凍結割断法 / 膜ステロ-ル / ブタ / ヒト |
Research Abstract |
1.In vitro受精能獲得(CAP)に伴うブタ精子の細胞膜変化(公表準備中) 齧歯類のCAPを凍結割断法で観察した結果、膜のうち先体周囲細胞膜(PAPM)に最大の変化が見られた事から、PAPMに13nmと8nmの明瞭に異る膜内粒子(IPM)を持つブタ精子を用いて、CAP時に起る細胞膜変化のより詳細な観察を試みた。 (方法)射出精子を洗浄後、TYH培養液で4時間培養してCAPを誘起し0、2、3、4時間後に固定し、凍結割断法により観察した。一部の固定精子は0.05%フィリピン溶液で処理し、膜内ステロ-ルの変化を調べた。上記培養条件下では、4時間後にはほぼ全数の精子がCAPを示す超活性運動をし、非常に高い受精率の得られることが確認された。 (観察と考察)0時間(培養開始直後)の精子ではPAPMのIMPは一様に分布している。他種と同様ブタ精子でもフィリピンーステロ-ル複合体(FSC)の密度はPAPMで最大で先体後部細胞膜では踈である。2〜4時間培養した精子では大小様々なIMPやFSCの欠損領域がパッチ状に出現する。パッチの大きさは、時間とともに増大する傾向が見られ、主部、赤道部間に出現頻度の差は見られない。培養後、小粒子(8nmIMP)の数は減少し、大粒子(13nmIMP)の数は変化しないが、一部分に集合する傾向が見られることからIMP欠損領域の出現は大粒子の移動と小粒子の消失によると考えれる。これらの所見はPAPMからのステロ-ルの消失、小粒子の消失及び大粒子の移動により膜構造の単純化した領域が形成されることがCAP中の重要な出来事であり、これにより先体反応時の膜隔合が可能になるらしい。 2.In vitro受精能獲得に伴うヒト精子の細胞膜変化。 上記と同様の観察をヒト精子について行ったが、PAPMのIMPやFSCの分布に変化は認められなかった。ヒト精子には顕著な個体差の有る事が知られているので、現在、各個人別の検出法を試行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] F.Suzuki&T.Nagano: "Three‐dimensional model of tight junction fibrils based on freeze‐fracture images." Cell Tiss.Res.264. 381-384 (1991)
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[Publications] M.Maekawa,T.Nagano,K.Kamimura,T.Murakami,H.Ishikawa&M.Dezawa: "Distribution of actin‐filament bundles in myoid cells,Sertoli cells,and tunica albuginea of rat and mouse testes." Cell Tiss.Res. 266. 295-300 (1991)
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[Publications] M.Maekawa&Y.Mishimune: "In vitro proliferation of germ cells and supporting cells in the neonatal mouse testis." Cell Tiss.Res.265. 551-554 (1991)