1992 Fiscal Year Annual Research Report
幼若ラット皮質脊髄路で起こる軸索側枝消去過程の形態学的研究
Project/Area Number |
03670031
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
金子 律子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00161183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10198898)
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Keywords | ユビキチン / カテプシンD / 蛋白分解 / 軸索側枝消去 / 免疫組織化学 / 神経網形成 / ラット |
Research Abstract |
発生の過程で起こると考えられている一部神経線維の消去は、神経網形成のプロセスを明らかにする上で重要な問題であるにもかかわらず、現在までのところ、ほとんど不明のままである。in vivoで神経線維の伸長を追跡することの因難さが、この領域の研究を停滞させている最大の理由である。本研究は、神経側枝消去のプロセスを、側枝消去過程で当然起こっていると考えられる蛋白分解を顕在化させることにより、形態的に捕らえれないかと考え、試みたものである。ユビキチン蛋白とカテプシンDは、それぞれ蛋白分解に関与することが知られている蛋白と酵素である。そこで、生後各齢ラットの脳および脊髄に対して、両物質の抗体を用いて免疫染色を行い、陽性細胞および陽性線維の出現部位と時期を検討した。そしてカテプシンDについては、軸索側枝消去過程はの関与を示唆する結果を得た。また、ユビキチンについては、アルツハイマー病との関連がある蛋白であるので、発達しつつある神経系においても機能している可能性が当初は考えられたが、今回の研究により、発達過程の神経線維の中ではあまり関与をしていないことが示唆された。しかし、発達中の神経細胞の核に、一過性にユビキチン様物質が多く存在することが発見され、ユビキチンが蛋白分解とは別の機能を神経細胞核内で担っている可能性が示唆された。この点については、今後研究の発展が期待されるところである。
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[Publications] Ritsuko Ohtani-Kaneko et al.: "Increase in ubiquitin-immunoreactive nuclei in rat pituitary luteinizing hormone cells after castration." Endocrinology. 130(5). 2545-2548 (1992)
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[Publications] Ritsuko Ohtani-Kaneko et al.: "Ubiquitin-immunoreactive cells in the brain and spinal cord of postnatal rat." Neuroscience Research. s16. 71- (1991)
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[Publications] Ritsuko Ohtani-Kaneko et al.: "Ubiquitin and cathepsin D-immunoreactive cells in the spinal cord and DRG in postnatal rats." Neuroscience Research. s17. (1992)
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[Publications] Masayuki Iigo et al.: "Melatonin binding sites in the goldfish retina." Neuroscience Research. s17. (1992)
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[Publications] Masayuki Iigo et al.: "Characteristics, day-night changes, localization, and regulation by guanine nucleotides of melatonin binding sites in the goldfish brain." Proceedings of the Japan Society for Comparative Endocrinology. 7. (1992)
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[Publications] Koji yamamoto et al.: "Melatonin in the various vertebrate species:comparison between the eye and pineal gland." Proceedings of the Japan Society for comparative Endocrinology. 7. (1992)