1991 Fiscal Year Annual Research Report
内因性プラスミノ-ゲン・アクチベ-タ放出機作の研究とその血栓溶解への応用
Project/Area Number |
03670039
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
美原 恒 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20030843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉木 雅彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00226440)
吉田 悦男 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (30220627)
丸山 真杉 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40173968)
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Keywords | みみず / 血栓溶解作用 / 線溶活性作用 / 血小板凝集抑制 |
Research Abstract |
当初予定したみみず乾燥粉末によるプラスミノ-ゲン・アクチベ-タ-放出作用につきマウス腹腔中に投与し、その腹腔内のアクチベ-タ-の放出の有無を検索したが、出現した活性が、投与したみみず乾燥粉末によるものか、放出されたアクチベ-タ-であるのか同定することが因難であった。実験動物を用いて、その内因性プラスミノ-ゲン・アクチベ-タ-放出を測定するには、自分達の手でラット、マウスよりtーPA,uーPAを抽出精製し、それを用いて、他の実験動物を使って抗体を作成しなければならない。実際、ウサギを用いて抗体作成を試みたが、抗体価が上昇せず失敗に終った。そこでみみず乾燥粉末投与時、懸念されたもう一つの問題解決を行うこととした。その問題とは、みみず乾燥粉末経口投与実験で投与後、血中にフィブリン分解産物であるFDP(Fibrin Degradation Products)が上昇したが、このFDPの測定はフィブリノ-ゲン分解産物でも同様に測定される可能性がある。そのため、みみずより抽出された線溶酵素を用い、血中のフィブリノ-ゲン分解がおこるか否かをin vitroで検討することにした。みみず乾燥粉末には大きく分けて3種類、さらに単一精製標本にすると6種類の線溶活性酵素が得られる。これらの酵素を用いてin vitroの実験を行った。その結果、ヒトの血漿を凝固させる際、これらの酵素を混入した場合には、あきらかにフィブリンの分解産物であるDーdimerが検出されるが、血漿にこれらの酵素を加え、凝固させた場合と同時間incubationして後、凝固させて、FDP及びDーdimerを測定したが、ほとんど検出されなかった。このことは、以前報告したボランティアにみみず乾燥粉末を経口投与した結果、上昇したFDPはFibrinogennlysisによるものではなく、Fibrinolysisによるものと考えられた。この実験からみみずの線溶活性物質を用いての血栓溶解療法への臨床応用の可能性が益々高くなったものと考えられた。
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