1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670054
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐藤 悠 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60111746)
|
Keywords | 小脳 / プルキンエ細胞 / 単純スパイク / 複雑スパイク / ゾーン |
Research Abstract |
平成5年度の研究実績の概要は以下のとうりです。ケタミン麻酔下非動化ネコにおいて、小脳片葉のプルキンエ細胞から複雑・単純スパイクを細胞外記録し、水平垂直を含む8方向への視運動刺激を行い、スパイクの反応を調べた。視運動刺激はスクリーンにドットパターンを投射し一定速度(1-180゚/s)で一定方向へ移動させることによりおこなった。反応はperi-stimulus time histogramを作成して調べた。複雑スパイク反応の方向選択性により細胞は、2つのタイプに分けられた。水平方向に方向選択性を持つタイプは、反対側へ向かう刺激でスパイク頻度が増加し、同側へ向かう刺激で減少した。垂直方向刺激には反応は弱かった。このタイプの細胞は片葉のmiddle zoneに存在していた。垂直方向に方向選択性を持つタイプは、上方へ向かう視運動刺激で増加し、下方へ向かう刺激で減少した。水平方向刺激には反応は弱かった。このタイプの細胞は片葉のrostral zoneとcaudal zoneに存在していた。いずれのタイプも1-10゚/sの低速度刺激で最も反応が強かった。しかし180゚/sの高速度刺激でも反応は維持された。単眼刺激では、両眼とも刺激で反応するタイプが多かった。反対則眼刺激だけに反応するタイプは無かった。同対則眼刺激だけに反応するタイプは少なかった。視覚パターンの移動を伴わない光のオンオフには反応しなかった。小さい視標の移動には反応せず、大きい視野における刺激が必要だった。受容野は広く、同則眼受容野は両則半視野に広がっていた。単純スパイクの反応は複雑スパイクの反応と逆反応を示した。すなわち複雑スパイクが増加すると単純スパイクは減少し、逆に複雑スパイクが減少すると単純スパイクは増加した。
|