1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670064
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Research Institution | Keio University School of Medicine |
Principal Investigator |
河村 悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80138122)
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Keywords | Sーモジュリン / ロドプシン / リン酸化 / 視細胞 / 順応 / カルシウム / リカバリン / ビジニン |
Research Abstract |
視細胞ではホスホジエステラーゼが明時活性化されることにより電位が発生する。Sーモジュリンは報告者の発見した、カルシウム依存的にホスホジエステラーゼの光感受性を制御する蛋白質である。本年度はSーモジュリンについて以下の点について検討することを目的とした。(1)光・電位変換機構におけるSーモジュリンの作用部位。(2)Sーモジュリン蛋白質のアミノ酸配列の解析。(3)他の感覚器におけるSーモジュリンの存在の有無。 本年度の研究によって以下の点が明らかになった。 (1)Sーモジュリンの作用部位はロドプシンのリン酸化を阻害する点にあること。光受容の後、ロドプシンはロドプシンキナーゼによってリン酸化を受ける。Sーモジュリンはこのリン酸化を、カルシウム濃度依存的に阻害し、活性型ロドプシンの寿命をのばすことによってホスホジエステラーゼの光活性化の効率を高めることが明らかになった。(Nature,in press)。 (2)精製したSーモジュリンに蛋白質分解酵素を作用させ、消化断片のアミノ酸配列から部分構造を推定し、既知の蛋白質のアミノ酸配列との相同性を比較検討した。その結果、Sーモジュリンはビジニンやリカバリンと共に新しいスーパーファミリーを形成するカルシウム結合蛋白質であることが明らかになった(BBRC,186:411-417,1992)。 (3)上記(1)(2)の研究が大幅に進行した結果それに時間を費やし、(3)の研究を行う時間的余裕がなかった。(3)については引き続き検討する予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Kawamura, S., Takamatsu, K. and Kitamura, K. (1992): "Purification and characterization of S-modulin, a calcium-dependent regulator on cGMP phosphodiesterase in frog rod photoreceptors." Biochem. Biophys. Res. Commun.186. 411-417 (1992)
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[Publications] Kawamura, S.: "Light-sensitivity modulating protein in frog rods." Photochem. Photobiol.56. 1173-1180 (1992)
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[Publications] 河村 悟: "視細胞における光受容と順応の分子機構" Cell Science. 8. 379-385 (1992)
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[Publications] 河村 悟: "視細胞における順応調節蛋白質" 生物物理. 32. 180-185 (1992)
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[Publications] Kawamura, S.: "Molecular aspects of photoreceptor adaptation in vertebrate retina." Internatl. Rev. Neurobiol.35. (1993)
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[Publications] Kawamura, S.: "Rhodopsin phosphorylation, a mechanism of cGMP phosphodiesterase regulation by S-modulin." Nature. (1993)
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[Publications] 河村 悟: "Sーモジュリン" 生体の科学. 44. (1993)
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[Publications] 河村 悟: "視細胞における明順応の分子機構 ーカルシウム結合蛋白質Sーモジュリンによる視感度の調節を中心にしてー" 科学. 63. (1993)
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[Publications] 河村 悟・金子 章道: "視覚の分子機構 ー網膜ー" 分子神経科学の最先端 厚生社.