1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脳中隔核におけるシナプス伝達に対する生体内活性物質による制御機構の解析
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03670066
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
時政 孝行 久留米大学, 医学部, 助教授 (50155511)
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Keywords | 中枢神経系 / 中隔核 / スライスパッチ / 興奮性アミノ酸受容体 / シナプス伝達 / 修飾作用 / 代謝型グルタミン酸受容体 / 長期増強 |
Research Abstract |
前年度までの研究で背外側中隔核(DLSN)ニューロンにおける興奮性および抑制性シナプス後電位が種々の伝達物質(伝達修飾物質)により様々に調節されることが実験的に示された。特にアデノシンの作用については詳細に検討した。今年度は代謝型興奮性アミノ酸受容体アゴニスト(trans-ACPD)の作用とテタヌス刺激時の効果を比較検討した。低濃度trans-ACPD(1-30μM)を作用させると膜電位の変化を伴わないで、興奮性シナプス後電位(EPSP)を抑制した。この抑制作用はアデノシンの場合と異なりEPSPのみならず、単シナプス性の抑制性シナプス後電位(IPSP)も抑制した。この濃度のtrans-ACPDは外因性のアゴニストによる応答を変えないことから、どちらもシナプス前性の抑制と考えられた。高濃度のtrans-ACPD(50-100μM以上)ではシナプス後性に入力抵抗の増大する脱分極性電位が発生し興奮性の増大がみられた。低濃度trans-ACPDを10-20分作用させた後、正常溶液で潅流するとEPSPの振幅の過剰回復がみられ、長時間持続した。テタヌス刺激後の長期増強(LTP)と関係を調べるために海馬采をテタヌス刺激することにより発生するLTPと比較検討した。ピクロトキシンによりIPSPを抑制した状態でテタヌス刺激を与えると、多くの場合経過の遅い抑制性シナプス後電位(LHP)の長期増強が著明にみられ、EPSPの増強は一部のニューロンでみられるのみであった。LHPの長期増強の誘発はNMDA受容体アンタゴニストのAPVにより抑制され、興奮性アミノ酸アミタゴニスト存在下で記録される単シナプス性LHPはテタヌス刺激後増強がみられないことから、このLHPの増大には介在ニューロンにおけるEPSPが関与していることが示唆された。一部のニューロンではAPVでLTPの誘発が完全には抑制されないことから、代謝型受容体の関与も否定はできない。現在スライスパッチ法により詳細に分析中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hasuo,H.: "Adenosine inhibits the synaptic potentials in rat septal nucleus neurons mediated through pre-and postsynaptic A_l-adenosine receptors" Neurosci.Res.13. 281-299 (1992)
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[Publications] Shoji,S.: "Role of NMDA and non-NMDA receptors in excitatory postsynaptic potentials in rat suprachiasmatic nucleus neurons" Kurume Med.J.39. 129-132 (1992)
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[Publications] Shoji,S.: "Effect of glucose-depletion on excitatory synaptic transmission in the suprachiasmatic nucleus of the rat" Kurume Med.J.39. 209-212 (1992)
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[Publications] Tokimasa,T.: "Does calmodulin modualte M-current in vertebrate nerve cells?" Neurosci.Res.Suppl.17. 50- (1992)
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[Publications] Akasu,T.: "Cellular metabolism regulating H-and M-currents in bull-frog sympathetic ganglia" Can.J.Physiol.pharmacol.70. (1992)
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[Publications] Tokimasa,T.: "Autonomic Ganglia" Harwood Academic Publishers (Ed.McLachlan,E.M.), (1993)
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[Publications] 赤須 崇: "神経の情報伝達 第7巻" 廣川書店 佐藤公道編, (1993)