1992 Fiscal Year Annual Research Report
非ふるえ熱産生発現の多重性細胞内調節機序-グルカゴン及びβ_3アゴニストの役割
Project/Area Number |
03670072
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
八幡 剛浩 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60041828)
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Keywords | 褐色脂肪組織 / 非ふるえ熱産生 / 歴代寒冷馴化ラット / グルカゴン / BRL37344 / イノシトールトリフォスフェート / 組織酸素消費量 / GDP結合能 |
Research Abstract |
非ふるえ熱産生(NST)の主要部位である褐色脂肪組織(BAT)の機能調節機構を調べるために、種々環境下で、BATのNST能の指標の1つであるミトコンドリアのGDP結合能、およびBATの組織細片を用いてin vitroで、BAT機能に及ぼすノルアドレナリン(NA)、グルカゴン(G)およびβ_3アドレナージックアゴニストであるBRL37344(BRL)の効果を比較検討して以下の結果を得た。 1.安静時のBATミトコンドリアのGDP結合能は、寒冷馴化群(CA)では温暖対照群(WC)と差がなかったが、反復寒冷曝露群(ICE)では有意に高かった。一方、急性寒冷曝露時のGDP結合能は、CA、ICEで著しく高くなっていた。叉、飼育環境下でのCAのGDP結合はWCよりわずかに高いだけであった。 2.in vivoでの高いNST能にも関わらず、BATのin vitro熱産生反応はNA、G、BRLの何れに対してもCAで低かった。また、雌ラットのNST能はin vivoでもin vitroでも雄と差がなかった。 3.in vitroで、NAおよびGによる脂肪分解と酸素消費の関係を見ると、WCでは酸素消費に関係なく脂肪分解が多く、CAでは負の相関関係がみられたのに対し、ICEでは正の相関関係がみられた。 4.歴代寒冷馴化ラットの新生仔BATの熱産生能はWCの新生仔より低く、WC同様新生仔期の中期にはGの熱産生作用はNAより低かった。またWCで、IP_3は新生仔期の初期にはBATの熱産生を促進したが、中期には効果を示さなかった。 5.甲状腺機能低下ラットでは、BATの熱産生能が低下していた。これらの結果から、Gの作用の一部はIP_3ルートを介して発現されている事、また寒冷馴化時にはBAT細胞自体の熱産生能は抑制されている事等が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kikuchi,Kazue: "Effects of chronic administration of noradrenaline and glucagon on in vitro brown adipose tissue thermo-qenesis." Jpn.J.Physiol.42. 165-170 (1992)
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[Publications] Yahata,Takehiro: "Functional changes in brown adipose tissue under various conditions.In “High-Altitude Medicine(ed.by Ueda,G.et al.)"" Shinshu University Press, 546 (1992)