1991 Fiscal Year Annual Research Report
分泌刺激に対するプロラクチン細胞感受性の変化に関する連続細胞ブロット法による解析
Project/Area Number |
03670081
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
有田 順 横浜市立大学, 医学部・生理学第2講座, 助教授 (80128587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 豊 横浜市立大学, 医学部・生理学第2講座, 助手 (90194050)
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Keywords | 下垂体前葉 / プロラクチン / ド-パミン / 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン / エストロゲン / 連続細胞ブロット法 |
Research Abstract |
連続細胞ブロット法を用いて、下垂体前葉細胞からのプロラクチン分泌の甲状腺刺激ホルモン(TRH)に対する反応性を単一細胞レベルで検討した。 1単一細胞からのプロラクチン基礎分泌量を測定するためカバ-ガラス上に培養した下垂体前葉細胞を標準培養液と共に蛋白転写膜とインキュベ-トした後、次に、同じ細胞を各種濃度のTRHを含む培養液とインキュベ-トした。2回目にインキュベ-ト時にTRHを添加しない場合(対照群)、2回目のプロラクチン分泌量は1回目の分泌量と殆ど同じであった。 2対照群のプロラクチン分泌量の95%信頼限界を越える分泌量をTRH投与により示すものをTRH反応性プロラクチン細胞と定義すると、3×10^<-10>MのTRH濃度においてTRH反応性細胞が出現し、濃度依存性にその割合は増加した。10^<-7>MのTRHにより、TRH反応性細胞はプロラクチン全細胞数の約50%に達したが、この濃度以上ではその割合は増加しなかった。この結果より、同じプロラクチン細胞でもTRHに対する反応性が大きく異なり、約半数はTRHに全く反応しない細胞であることが示された。 3各々のプロラクチン細胞をその基礎分泌量に基づいて小、中、大分泌細胞に分類すると、10^<-7>MのTRHに対して小分泌プロラクチン細胞の72%が反応したが、大分泌細胞では16%しか反応を示さなかった。この結果より、プロラクチン細胞のTRHに対する反応性はその細胞のプロラクチン基礎分泌量に依存しており、基礎分泌量が少ない細胞はTRHに対してよく反応し、基礎分泌量が多い細胞はTRHに対して反応しないことが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.ARITA: "Lactotrophs secreting small amounts of prolactin reveal great responsiveness to thyrotropinーreleasing hormone" ENDOCRINOLOGY. 130. (1992)
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[Publications] J.ARITA: "Heterogeneity in the secretory activity of pituitary lactotrophs revealed by analysis at the single cell level" YOKOHAMA MEDICAL BULLETIN. (1992)