1991 Fiscal Year Annual Research Report
模擬無重力状態(頸下浸水)に対する神経性動脈血圧調節の動的適応機構
Project/Area Number |
03670085
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
三木 健寿 産業医科大学, 医学部, 助手 (80165985)
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Keywords | 微小重力 / 圧反射 / 交感神経活動 / 動脈圧 |
Research Abstract |
宇宙飛行士が長期間微小重力環境に滞在した後、1G環境に帰還すると一過性の体位変換に対する動脈圧調節の失調を来たすことが報告されている。また長期間ベッド上で仰臥位を保った後に、同様の起立性低血圧が生じることが報告されている。これは動脈圧調節系が微小重力環境に適応した結果であると考えらているが、その機構は不明である。本研究の目的は、意識下の犬を用い動脈圧調節系の求心生圧情報(頸動脈洞神経活動)および遠心性交感神経活動(腎交感神経活動)を同時記録し、模擬微小重力(頚下浸水)に対する神経性動脈圧調節機構の動的な修飾過程を定量化する事にある。 方法 意識下の犬を用い頚下浸水時の頚動脈洞神経活動を連続的に測定し、血圧の変化に対し、 1.頸動脈圧ー頸動脈洞神経活動 2.頸動脈圧ー腎交感神経活動 の関係を頚下浸水前、中、後に測定する。1、2の関係はシグモイドカ-ブにフィッテイングし、1)ゲイン、2)中心圧などのパラメ-タを算出する。 結果 考察 頸動脈圧ー腎交感神経活動の関係は、頚下浸水により、ゲインが84%増加し、中心圧が17mmHg低下した。これは、圧受容器反射が頚下浸水により急性に修飾されていることを示す。圧受容器の特性を示す頸動脈圧ー頸動脈洞神経活動の関係は、頚下浸水により変化なかった。以上より、圧受容器反射は模擬微小重力環境に急性に適応し修飾を受けている点。そして圧受容器そのものの特性の変化はなく、中枢性に修飾を受けている点が明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miki.,Hayashida,Y.and Shiraki K.: "Baroreflex control renal sympathetic nerve activity (RSNA)reset acutely at the supra-carotid site during water immersion (WI)in conscious dogs." The Japanese Journal of Physiology. 41. S85 (1991)
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[Publications] 三木 健寿,林田 嘉郎,白木 啓三: "圧受容器反射の急性リセッテイングは圧受容器の適応現象で説明されるか?" 第42回西日本生理学会予稿集、福岡大学. (1991)