1991 Fiscal Year Annual Research Report
テトラヒドロビオプテリン受容体の構造及び機能の解明
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03670101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三輪 聡一 京都大学, 医学部, 講師 (40157706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越村 邦夫 京都大学, 医学部, 助手 (90192575)
福本 学 京都大学, 医学部, 助教授 (60156809)
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Keywords | テトラヒドロビオプテリン / ド-パミン遊離 / カルシウムチャンネル / テトラヒドロビオプテリン受容体 |
Research Abstract |
カテコ-ルアミンおよびセロトニンなどの神経伝達物質の遊離調節を行なっていると考えられる天然型6Rーテトラヒドロビオプテリン(6RーBH_4)の受容体が実際に脳に存在することを証明するために,[ ^3H]6RーBH_4を化学合成し,この放射性リガンドを用いて脳の膜分画に対する結合実験を行った。[ ^3H]6RーBH_4を得るために,まず,テトラヒドロ葉酸存在下に,ジヒドロビオプテリン(BH_2)と[ ^3H]NaBH_4を反応させ,[ ^3H]6RSーBH_4を合成し,この混合物を高速液体クロマトグラフィ-にて分離した。このようにして得た[ ^3H]6RーBH_4を用いて,脳の膜分画に対する結合実験を行ない,脳の膜分画には[ ^3H]6RーBH_4の特異的結合部位が存在することを明らかにした。Scatchard分析を行なったところ,特異的結合部位の[ ^3H]6RーBH_4に対する解離定数(Kd)は21nMであることがわかった。この特異的結合は,非放射性の6RーBH_4,BH_2,立体異性体である6SーBH_4の順に低濃度で置換された。一方,6RーBH_4のアナログである6ーMPH_4および酸化型のビオプテリンでは置換されなかった。また,特異的結合の脳の部位別分布を検討してみると,大脳皮質,線条体,間脳(視床+視床下部),海馬および脳幹部では,ほぼ同量で30〜40fmol/mg proteinであったが,小脳では特に高く95fmol/mg proteinであった。 また,6RーBH_4の効果を培養牛副腎髄質細胞を用いて検討し,6RーBH_4が濃度依存性に膜を脱分極させることを発見した。この効果は,立体異性体である6SーBH_4では弱く,6RーBH_4に選択的であり,さらに,この脱分極は,Na_+およびCa_<2+>イオンチャンネルを介していることが明らかになった。 以上の結果から,6RーBH_4の受容体の存在およびその機能を明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tetsuya Ohue: "Monoamineーmediated enhancement of acetylcholine release in rat hippocampus by 6RーLーerythroー5,6,7,8ーtetrahydrobiopterin" Brain Research. 570. 173-179 (1992)
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[Publications] Tetsuya Ohue: "Regulation of acetylcholine release in vivo from rat hippocampus by monoamines as revealed by novel columnーswitching HPLC with electrochemical detection" Brain Research.