1991 Fiscal Year Annual Research Report
培養副腎髄質電位依存性Naチャンネル遺伝子発現の変動と薬物作用の解析
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03670114
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
和田 明彦 産業医科大学, 医学部・薬理学, 助教授 (30131949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 貞夫 産業医科大学, 医学部・生化学, 助教授 (50131917)
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Keywords | 副腎髄質細胞 / Naチャンネル / ^<22>Na / ^3Hーサキシトキシン / 遺伝子 / ヴェラトリジン / テトロドトキシン / αーサソリ毒 |
Research Abstract |
1.電位依存性Naチャンネル機能の変動:ヴェラトリジン(Naチャンネル・アクチヴェ-タ-)を含むメディウム中で培養した副腎髄質細胞においては,ヴェラトリジンによる細胞内への ^<22>Naインフルックスが低下した。この低下は,ヴェラトリジン前処置の濃度と期間に依存した。ヴェラトリジンのEC_<50>は約25μMであり,ヴェラトリジン100μM6時間前処置細胞では,t1/2 2ー3時間で対照細胞の約20%まで低下した。ヴェラトリジンとαーサソリ毒の同時投与による最大 ^<22>Naインフルックスも,ヴェラトリジン前処置細胞では対照細胞の1/3ー1/4と低値であった。ヴェラトリジンの低下作用は可逆的で,またテトロドトキシンで拮抗された。ヴェラトリジンの ^<22>Naインフルックスに対するEC_<50>,テトロドトキシンのIC_<50>は,ヴェラトリジン前処置細胞と対照細胞の間で差を認めなかった。 2.Naチャンネル蛋白分子の変動:ヴェラトリジン100μMで1時間前処置した細胞では,細胞への ^3Hサキシトキシン結合のBmaxが対照細胞の68%まで減少した(Kdは不変)。 3.NaチャンネルmRNAの変動:ラット脳Naチャンネル・タイプIIcDNA1240bpをプロ-ブとして,ウシ副腎髄質ゲノムDNAライブラリ-のサザン・ブロッティングをおこない,ハイブリッドしたDNAフラグメント1340bpをクロ-ン化した。このフラグメントの塩基配列は,ラット脳Naチャンネル・タイプIIとドメインIV,セグメント4ー6を含む637bpの領域で71.7%のホモロジ-を示した(ラット骨格筋,心臓,シビレエイ発電器官とは,62.7,59.5,56.5%のホモロジ-)。この内,ホモロジ-の高い397bpのゲノムDNAを鋳型としてantisense ^<32>PーRNAを合成し,これをプロ-ブとしてmRNAの定量をおこなっている。ヴェラトリジン刺激細胞,環状AMP処理細胞ではmRNAの変動が認められ,さらに現在検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akihiko Wada,Yasuhito Uezono,Masahide Arita and Futoshi Izumi: "Negative modulation of Na^+ channels in bovine adrenal medullary cells" The Japanese Journal of Pharmacology. 52. 198 (1990)
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[Publications] Akihiko Wada,Yasuhito Uezono,Sadao Gotoh,Futoshi Izumi and Ken Higashi: "Pharmacological and molecular characterization of voltage-dependent Na channels in adrenal medulla" The Japanese Journal of Pharmacology. 55. 373 (1991)