1992 Fiscal Year Annual Research Report
細胞機能発現におけるジアシルグリセロールキナーゼアイソザイムの役割
Project/Area Number |
03670129
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Research Institution | Sapporo Medical College |
Principal Investigator |
山田 恵子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80045541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 伸一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20213209)
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10183815)
加納 英雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045475)
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Keywords | ジアシルグリセロール(DG)キナーゼ / 刺激情報伝達系 / DGキナーゼアイソザイム / 亜鉛フィンガー / E-Fハンド / T-リンパ球 / ホスファチジン酸 |
Research Abstract |
1.無傷細胞を用いたDGキナーゼアイソザイムの機能の検討……Jurkat細胞に含まれるDGキナーゼアイソザイムを、異なる基質(DiC10,C18:0/C20:4)と活性測定法(オクチルグルコシド混合ミセル法とDOC法)を用いて、シトソールと膜に存在するDGキナーゼを酵素学的、免疫学的方法で比較検討した。その結果、細胞内分布、DG分子種特異性、スフィンゴシンの効果、抗80kDaDGキナーゼ抗体との反応性で区別できる少なくとも、4種のDGキナーゼアイソザイムが存在することがわかり現在投稿中である。さらに現在細胞分化におけるDGキナーゼアイソザイムの役割を知る目的でHL60をTPAやDMSOで分化させたときの酵素の変動を検討中である。 2.80kDaDGキナーゼの機能部位の解析……本酵素の一次構造には、E-Fハンド、亜鉛フィンガー、両親媒性のα-ヘリックス、ATP結合部位等の構造が存在する。まずE-Fハンド構造に着目し、この酵素はCa^<2+>と結合することをbinding assayにより示した。(J.Biol.Chem.266,7096)また種々の欠失変異や点変異を導入したcDNAを、大腸菌又はCOS細胞に発現させて機能を解析した。(Biochem.Biopys.Res.Commun.181,1015)さらに昆虫細胞の発現系を用い、種々の欠失変異や点変異を導入したcDNAを導入してタンパク質を発現させ、DG,リン脂質、ホルボールエステル、DNAへの結合能を調ベ、その結果は現在投稿準備中である。 3.DGキナーゼアイソザイムの一次構造決定……150kDaDGキナーゼのクローニングは陽性クローンを得ることが出来なかった。そこで今まで決定された80kDaと90kDaの塩基配列を比較して相同性の高い10ヶ所の配列を選び、オリゴヌクレオチドを作成した。それをプライマーとしてPCRを行なったところ、アイソザイムとおもわれる複数のPCR産物が得られた。現在、さらなる解析を行なっている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kanoh,H: "Purification and properties of phosphatidic acid phosphatase from porcine thymu membranes." J.Biol.Chem.267. 25309-25314 (1992)
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[Publications] Takemura,H.: "Reguration of Ca^<2+> mobilization by β-adrenergic receptor in Jurkat leukemia T-cells." Annals of the New York Akademy of Science.
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[Publications] Goto,K.: "Gene cloning,sequence,expression and in situ localization of 80 kDa diacylglycerol kinase specific to oligodendrocyte of rat brain." Mol.Brain Res.16. 75-87 (1992)
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[Publications] 坂根 郁夫: "ジアシルグリセロールキナーゼ" 実験医学. 11. 262-267 (1993)
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[Publications] Kanoh,H.(ed.by E.A.Dennis & D.E.Vance: "Diacylglycerol kinase isozymes from brain and lymphoid tissues.(Methods in Enzymology,Vol.209)" Academic Press,San Diego,U.S.A, 162-172 (1992)
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[Publications] 加納 英雄: "DGキナーゼNeuroscience講座V(竹縄忠臣,野村靖幸編)" 廣川書店,
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[Publications] 坂根 郁夫: "DGキナーゼ生物薬科学講座IV(石橋貞彦,寺田弘編)" 廣川書店,