1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670147
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安仁屋 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (90045055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾尻 義彦 琉球大学, 医学部, 助手 (00136904)
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Keywords | Glutathione S-transferase / 活性酸素 / 肝ミクロソーム / グルタチオン / 酸化ストレス / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
肝ミクロソームGlutathions S-transferase(GSTm)が活性酸素等による酸化的修飾により活性化されることについて本年度は次のことを明らかにした。 1.活性酸素を発生することが知られている虚血再潅流肝でサイトゾールGSTは変動しないがミクロソームGSTmは有意に増加すること、このときGSTmの活性型のdimer蛋白がみられた(Biochem.Pharmacol.45,37(1993))。 2.過酸化物のt-butyl hydroperoxideで肝を潅流すると脂質過酸化物の増大とGSTmの活性化がみられ、抗酸化剤のビタミンEやキレート剤投与により、このGSTmの活性化が抑制された。このことは、GSTmが酸化ストレスにより活性化されることをさらに明確にしている。 3.ミクロソームcytochrome P-450誘導剤のphenobarbital投与によりGSTm活性が増加するが、この増加はphenobarbitalによるGSTmの誘導ではなく、P-450系を介して発生した活性酸素種によりGSTmの酸化的修飾によるものであることを明らかにした。 4.活性酸素等により、ジスルフィド結合を介して活性型になったGSTmはthioltransferaseにより元に戻る可能性が示唆された。 5.GSTmは生体膜構成成分の1つである脂肪酸の過酸化物によっても活性化されることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Aniya and A.Naito: "Oxidative stress-induced activation of microsomal glutathione S-Transferase in isolated rat liver" Biochemical Pharmacology. 45. 37-42 (1993)
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[Publications] Y.Aniya,A.Naito and M.Nagamine: "Alteration of glutathione S-Transferase and peroxidase activities of rat liver in oxidative stress" First IUBMB Conference.Biochemistry of Diseases (Program and Abstracts). 304- (1992)
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[Publications] 安仁屋 洋子,下地 みゆき,内藤 鑑: "Cytochrome P-450を介する肝ミクロソームglutathione S-transferasekの活性化" 第23回薬物代謝と薬効・毒性シンポジウム要旨集. 59-62 (1992)
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[Publications] 大同 愛,安仁屋 洋子: "t-Butyl hydroperoxideによる肝の酸化ストレスとglutathione transferase活性の変動" 日本薬理学雑誌. 101. 31P- (1993)
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[Publications] 安仁屋 洋子: "酸化ストレスに対するミクロソームグルタチオンS-トランスフェラーゼの役割" 日本薬学会第113年会シンポジウム要旨集.
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[Publications] 下地 みゆき,安仁屋 洋子: "肝ミクロソームglutathione S-transferaseを基質とするプロテアーゼの検討" 日本薬学会第113年会要旨集.