1992 Fiscal Year Annual Research Report
アルドステロン産生腫瘍におけるホルモン過剰産生機序の解析
Project/Area Number |
03670148
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Research Institution | School of Medicine Keio University |
Principal Investigator |
今井 道代 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30129340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 邦晃 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80229913)
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Keywords | アルドステロン / アルドステロン産生腫瘍 / シトクロムP-450 / シトクロムP・450aldo / アルドステロン合成酵素 / アンギオテンシンII / 転写調節因子 |
Research Abstract |
われわれは近年ラットのアルドステロン合成シトクロムP-450(P450aldo)の分離精製に成功し(J.Biol.Chem.264,10935)、これを出発点としてアルドステロン生合成制御機構の解析に着手した。そしてラット・ウシ・ヒトの副腎を用いたこれまでの研究により、アルドステロン生合成の様式に動物種による差異があること、就中ラットの生合成様式はヒトのそれに類似しており、したがってヒトの良いモデル系であることなどを明らかにしてきた(J.Biol.Chem.266,10731など)。また、生理的に最も重要なアルデステロン分泌刺激因子であるアンギオテンシンIIがP450aldoの活性と量を増加させることもラットにおいて明らかにした(Endocrinology,128,2534)。これらの知見を基に本研究では以下の成果を得た。 1)P450aldoはアルドステロン産生腺種において過剰に発現しているが(J.Biol.Chem.266,10731)、正常ヒトにおいても微量ながら発現している。 2)ラットにおいて観察されるアンギオテンシンIIによる本酵素の活性と量の増加は遺伝子の転写活性の増加に基く(J.Biochem.105,497)。また予備実験において、ヒトのアルドステロン産生腺種においても転写活性の増加が示唆された。 3)今後遺伝子の転写調節機構を解析して行く上でヒトのモデル系として用いるために、ラットの本酵素遺伝子を単離しそのプロモーター領域の構造を明らかにした(Biochem.Biophys.Res.Commun.180,1187&J.Biol.Chem.268,April or May issue in press,1993)。
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[Publications] Imai,M. 他三名: "Effect of Dietary Sodium Restriction on mRNA for Aldosterone Synthase Cytochrome P-450 in Rat Adrenals" J.Biochem.(Tokyo). 111. 440-443 (1992)
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[Publications] Mukai,K.,Imai,M. 他二名: "Isolation and Characterization of Rat CYP11B Genes Involved in Late Steps of Mineralo-and Glucocorticoid Syntheses" J.Biol.Chem.268. (1993)