1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨軟部腫瘍の病理組織学的診断と染色体及びDNA分析
Project/Area Number |
03670156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
町並 陸生 東京大学, 医学部・(医), 教授 (30010052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 剛 東京大学, 医学部, 助手 (40223002)
土橋 洋 東京大学, 医学部, 助手 (90231456)
堀内 啓 東京大学, 医学部, 助手
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / 病理組織診断 / 染色体分析 / DNA分析 / 癌遺伝子 / p53 oncogene / Kーras gene / 骨及び軟骨肉腫 |
Research Abstract |
1.通常型7例、淡明細胞型2例の計9例の軟骨肉腫について、短期組織培養を行いQ分染法により染色体分析を行った。#12q13を含む相互転座が2例、#1pの欠失及び転座が3例(うち1例は淡明細胞型)、#11qの転座が1例に、それぞれクロ-ン性の構造異常として認められた。検索した軟骨肉腫9例に共通した染色体異常はなかった。また、これら9例の軟骨肉腫よりgenomic DNAを抽出し、第7エクソンをはさむ30塩基のプライマ-を用い、PCR法で増幅した。さらにそのDNA断片を抽出し、3種の制限酵素で消化して検索したところ、点突然変異はみられなかった。また、5例について第7エクソンのシ-クエンスを調べたが、点突然変異はみられなかった。 2.骨肉腫肺転移巣15例及び原発巣3例のパラフィン切片より、PCR法を用いDNAを抽出し、dot blot hybridization法を用いKーras geneのcoden12における点突然変異の有無を調べた。Ras geneの突然変異が種々のヒト腫瘍で報告されているが、本研究により骨肉腫ではそれがみられないことが明らかになった。 3.Ewing肉腫を中心に骨小円形細胞腫瘍について、これまでの研究成果をまとめ、今後は神経への分化或いは上皮への分化が実際にどの程度みられるかを検討する必要のあることを示唆した。 4.骨肉腫には種々の亜型のあることが最近明らかになってきたので、それらを定型及び非定型骨肉腫として疾患概念を整理し、今後の本研究の推進のための基礎をかためた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平林 寧子,吉田 光明,池内 達郎,石田 剛,小島 達自,桧垣 昇三,川口 智義,町並 隆生,外村 晶: "ヒト軟骨肉腫9例における染色体変化の解析" 日本癌学会総会記事. 50. 112 (1991)
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[Publications] Hirabayashi Y,Yoshida M,Ikeuchi T,Ishida T,Kojima T,Higaki S,Machinami R,Tonomura A: "Chromosome rerrangements at 12q13 in two cases of chondrosarcomas." Cancer Genetics and Cytogenetics. (1992)
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[Publications] 土橋 洋,椙村 春彦,林 寧,今村 哲夫,川口 智義,北川 知行,町並 隆生: "軟骨肉腫におけるp53遺伝子について" 日本整形外科学会誌. 65. 782 (1991)
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[Publications] Cui LーX,Oka T,Dobashi Y,Ishida T,Machinami R: "Mutational activation of Kーras gene is absent in human osteosarcoma." Medical Science Research. 19. 697-698 (1991)
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[Publications] Machinami R: "Small round cell tumours of bone." Virchows Archiv A Pathological Anatomy and Histopathology. 418. 475-478 (1991)
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[Publications] 町並 隆生: "定型および非定型骨肉腫の病理" 病理と臨床. 9. 301-306 (1991)