1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト・コラ-ゲン遺伝子のクロ-ニングおよび同遺伝子の発現に関する研究
Project/Area Number |
03670178
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉岡 秀克 岡山大学, 医学部, 助教授 (00222430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
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Keywords | コラ-ゲン / 細胞外マトリックス / cDNA / 遺伝子 |
Research Abstract |
細胞外マトリックスに存在する種々の分子は高分子集合体として生物機能を有している。その中でコラ-ゲンは線維成分として,体蛋白質の1/3を占める重要な蛋白質である。現在までその遺伝子ファミリ-は30種類近くを数え,その発現は組織により異なり多様性を示している。その中で,最近,私たちは軟骨に微量存在するXI型コラ-ゲンのαI鎖の一次構造を明らかにした。又,cross hybridizationにより,未知の新しいコラ-ゲン様蛋白をコ-ドしていると思われるcDNA断片を分離した。 1.αI(XI)コラ-ゲン遺伝子に関して 5'側のcDNA断片を用いて遺伝子断片の分離を行った。その結果,第1,2,3エクソンを含む断片を単離した。この構造は今まで報告されているfibrillar collagenのエクソン構造とは明らかに異なりユニ-クなものである。同時にprimer extensionを行ったが第1エクソンは現在考えているより,さらに約140bp長いように思われ,それを裏付ける為cDNA断片の分離を行った。今後,遺伝子のプロモ-タ-領域の塩基配列を決定し,転写調節の解析を始める予定である。 2.未知のコラ-ゲン様蛋白に関して かりにこのcDNA断片がコ-ドする鎖をαI(Y)と呼ぶことにした。塩基配列よりαI(Y)は今まで報告されているαI(IX)鎖及びαI(XII)鎖と高いホモロジ-が認められ,FACITコラ-ゲンに分類されることがわかった。又,in situ hybridizationの結果,染色体の6q13に存在し,COL9AI及びCOL12AIと同位置にあり,進化的にこの三つの遺伝子が密接な関係にあることが考えられる。現在,5'及び3'のcDNAクロ-ンを単離し,塩基配列を決定している。
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