1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670187
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
田口 修 愛知県がんセンター, 病理学第2部, 主任研究員 (00142167)
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Keywords | ぶどう膜網膜炎 / ヌ-ドマウス / 自己免疫病 / キメラ胸腺 / 光受容器間結合蛋白 / 胸腺 |
Research Abstract |
BALB/cヌ-ドマウスの腎皮膜下に異種であるF344ラットの胎仔胸腺を移植しておくと同マウスの免疫能が獲得される。(TGヌ-ド)。しかしながら、TGヌ-ドの肝臓や腎臓には異常が認められないが、甲状腺や眼等約10の臓器に炎症反応の多発がみられる。眼の炎症はぶどう膜にリンパ球に浸潤があり、網膜に肉芽組織の形成がみられ、網膜の杆状体錐状体層と外顆粒層が消失する病変である。この病変は胸腺の移植後2か月から慢性の経過をとる病変として認められるようになり、生後一年で約70%のTGヌ-ドに発病した。この眼病変は同病変を発症しているTGヌ-ドの脾リンパ球でもって無処置ヌ-ドマウスに高率にトランスファ-するこができた。そして有効な細胞はThyー1.2およびL3T4陽性、Lytー2陰性のリンパ球であることを明らかにした。この眼病変の発症に伴い、血中には正常マウスの網膜の杆状体錐状体層および色素上皮細胞と特異的に反応するIgG抗体が蛍光抗体間接法により検出できた。これらの所見から、TGヌ-ドに発症する眼病変は自己免疫病であると判断した。さらに抗原蛋白を同定するために牛網膜より蛋白を精製分離し、ウエスタン法により眼病変をもつTGヌ-ドの血清と反応させたところ、140Kdの蛋白とのみ反応することが明らかとなり、光受容器間結合蛋白(IRBP)が対応抗原である可能性が強く示唆された。そこで、牛網膜よりIRBPとS抗原を精製分離し、ELISA法にてTGヌ-ドの血清と反応させたところ、眼病変をもつマウスの血清のみがIRBPとのみ強く反応することが明らかとなり、IRBPが眼病変の対応抗原であると同定できた。現在IRBPを構成するペプチドを多数合成し、抗原のエピト-プおよびアグレト-プの検索をするとともに、エフェクタ-細胞の表面抗原の同定を行っている。
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Research Products
(1 results)